交響曲第4番 (ドヴォルザーク)

交響曲第4番 ニ短調 作品13

アントニン・ドヴォルザーク（1841-1904）が1874年に作曲した《交響曲第4番 ニ短調 作品13》（B. 41）は、彼の創作活動における初期の重要な位置を占める作品です。

概要

この交響曲の作曲は、1874年の始まりから3月26日にかけて集中的に行われました。興味深いことに、本作が完成して間もない時期に、前年に書かれた《交響曲第3番 変ホ長調》の初演が行われています。

ドヴォルザークは、この《第4番》を含む複数の作品（《第3番》やいくつかの室内楽曲など）をオーストリア政府文化省に提出しました。これが功を奏し、彼は高額な国家奨学金を得ることができました。この奨学金は、彼のその後の創作活動を経済的に支える上で大きな助けとなりました。

本作の初演の歴史はやや複雑です。まず、全曲完成と同じ年の1874年5月25日、プラハにおいて、著名な指揮者ベドルジハ・スメタナの指揮により、第3楽章のみが単独で演奏されました。その後、ドヴォルザーク自身によって、1887年末から1888年初頭にかけて楽譜に改訂が加えられました。改訂を経て全曲が初めて公開の場で演奏されたのは、1892年3月6日、再びプラハで、今回は作曲家自身の指揮によるものでした。

楽譜の出版は、ドヴォルザークの逝去から8年が経過した1912年になってようやく実現しました。出版が遅れたことや、かつては現在の《交響曲第8番 ト長調》が「第4番」として広く知られていた時期があったことから、長年にわたりこの作品の存在や番号について混乱が見られました。

楽器編成

この交響曲で使用される楽器は以下の通りです。
フルート2（うち2本はピッコロに持ち替え）、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、ティンパニ、打楽器、ハープ、そして弦五部（ヴァイオリン第1部、ヴァイオリン第2部、ヴィオラ、チェロ、コントラバス）。特にハープの使用は、ドヴォルザークの初期の交響曲としては珍しい編成と言えるでしょう。

楽曲構成

作品は伝統的な4つの楽章で構成されています。全曲を演奏する場合の時間は、第1楽章冒頭の反復記号を遵守すると、およそ43分程度です。

各楽章について

第1楽章：アレグロ

ニ短調、4分の3拍子のソナタ形式で書かれています。冒頭から力強い主題が現れ、劇的な雰囲気を帯びています。

第2楽章：アンダンテ・ソステヌート・エ・モルト・カンタービレ

変ロ長調、4分の4拍子。この楽章は美しい主題に基づく変奏曲形式で構成されています。「非常にカンタービレ風に支えながらゆっくりと」という指示の通り、叙情的で歌うような性格を持っています。この楽章の主題には、リヒャルト・ワーグナーのオペラ《タンホイザー》に含まれる「巡礼の合唱」との類似性がしばしば指摘されます。

第3楽章：スケルツォ：アレグロ・フェローチェ

ニ短調、4分の6拍子。「激しく速く」という指示を持つスケルツォ楽章です。ここでも、ワーグナーの楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》からの影響が感じられる部分があると言われています。楽章の終結部であるコーダにおいては、第1楽章で提示された冒頭主題が再び姿を現し、作品全体の統一感を高めています。

第4楽章：フィナーレ：アレグロ・コン・ブリオ

ニ短調からニ長調へと転じ、4分の2拍子のロンドソナタ形式で書かれています。「活気をもって速く」と指示されたこの楽章は、力強く推進力に満ちた音楽で作品を締めくくります。

外部リンク

交響曲第4番 ニ短調 作品13, B. 41の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト (IMSLP)
Symphony No.4, Op.13 - Free Sheet Music (Musopen)

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