交響曲第4番 (ルーセル)

交響曲第4番 イ長調 作品53, L. 67

アルベール・ルーセルが1934年に作曲した交響曲第4番は、彼の音楽人生における重要な転換期に生まれた作品です。この交響曲は、ルーセルが重度の肺炎から奇跡的に回復した後に作曲され、その音楽的エネルギーと生命力が漲っています。

作曲の背景

ルーセルは交響曲第3番の作曲後、生死の境を彷徨うほどの重病に倒れました。一時は死去の報道まで流れましたが、実際にはベルギー国王アルベール1世の死去が誤報されたものでした。ルーセル本人は既に回復に向かっており、この時期に交響曲第4番とシンフォニエッタが作曲されました。この出来事は、彼の音楽に対する情熱と回復力を象徴しています。

初演

交響曲第4番の初演は1935年10月19日、アルベール・ヴォルフの指揮によってパリのパドルー管弦楽団によって行われました。この曲はヴォルフに献呈されています。

楽器編成

この交響曲は、以下の楽器編成で演奏されます。

ピッコロ
フルート2
オーボエ2
イングリッシュホルン
クラリネット2
バスクラリネット
ファゴット2
コントラファゴット
ホルン4
トランペット4
トロンボーン3
チューバ
ティンパニ
トライアングル
小太鼓
シンバル
大太鼓
ハープ2
弦五部

この大規模な編成は、曲の色彩感とダイナミズムを豊かに表現するのに貢献しています。

曲の構成

全4楽章構成で、演奏時間は約23分です。

1. 第1楽章：レント - アレグロ・コン・ブリオ
イ長調、4分の3拍子
緩やかな導入部から、活気に満ちた主部へと展開します。

2. 第2楽章：レント・モルト
ハ長調、4分の4拍子
静かで瞑想的な雰囲気を持つ楽章です。

3. 第3楽章：アレグロ・スケルツァンド
ヘ長調、8分の6拍子
軽快でユーモラスなスケルツォ楽章です。

4. 第4楽章：アレグロ・モルト
イ長調、4分の4拍子
力強く、壮大なフィナーレを迎えます。

参考文献

最新名曲解説全集2 交響曲II（音楽之友社）

外部リンク

* 交響曲第4番 イ長調 作品53, L. 67の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト)

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