交響曲第7番 (モーツァルト)

交響曲第7番 ニ長調 K. 45

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが手掛けた交響曲第7番は、1768年1月16日にウィーンで完成されました。まだ11歳のモーツァルトがこの作品を創り上げたことは、彼の才能の早熟さを示すものです。自筆譜には作成日が記されており、月日は父親のレオポルトの筆で書かれています。モーツァルトは前年の秋からウィーンに滞在していましたが、天然痘の発生により急遽オルミュッツ（オロモウツ）に避難。その後、1768年の1月10日に再びウィーンに戻り、間もなくしてこの交響曲を完成させたと考えられています。

楽器編成

この交響曲は豊かな響きを持つために、管楽器、弦楽器、打楽器が巧みに編成されています。具体的な楽器編成は以下です：

• - 管楽器：オーボエ2、ホルン2、トランペット2
• - 打楽器：ティンパニ
• - 弦楽器：第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス

特筆すべきは、モーツァルトがこの作品でトランペットとティンパニを初めて使用した点で、彼の音楽の幅を広げた重要な瞬間と言えるでしょう。

構成

交響曲第7番は、4つの楽章から成り、演奏時間は約12分です。各楽章は以下のような形式を持っています：

1. 第1楽章 モルト・アレグロ
ニ長調、4分の4拍子で書かれたソナタ形式。この楽章はわずか3拍の序奏があり、リズム的な活力を感じさせる導入部から始まります。

2. 第2楽章 アンダンテ
ト長調で、2分の2拍子による二部形式。この楽章では穏やかな旋律が展開され、聴衆に深い安らぎを提供します。

3. 第3楽章 メヌエット - トリオ
ニ長調からト長調への変化が見られ、4分の3拍子で構成されています。複合三部形式によって、メヌエットの節度ある美しさが表現されています。

4. 第4楽章 モルト・アレグロ
再びニ長調で、2分の2拍子のソナタ形式。この楽章では、交響曲全体のエネルギーと活力が最高潮に達します。

この作品は、モーツァルトの若き作曲家としての変遷を支えている重要な一曲であり、彼の後の作品群に大きな影響を与えました。初々しさとかすかな未熟さを感じさせつつも、既に彼の持つ独特の音楽言語が十分に表現されています。ソナタ形式や二部形式における構成力、様々な感情を音楽で描き出す才能は、聴衆を魅了し続ける要因の一つとなっています。

さらに、国際楽譜ライブラリープロジェクトで)交響曲第7番ニ長調 K.45の楽譜をオンラインで入手することができます。

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