京成バス千葉セントラル習志野西営業所

千葉県船橋市習志野にある、京成バス千葉セントラル株式会社の営業所です。最寄り駅は京成線習志野駅ですが、北習志野駅からのバス利用が一般的です。敷地内には同じ京成グループの京成タクシーセントラル習志野営業所があり、近隣には京成バス習志野出張所も存在します。車庫が駅から離れているため、高津団地東口や津田沼グリーンハイツ、東葉高校といった主要路線の終点付近に乗務員休憩所が設置されています。

歴史的背景：新京成電鉄バス事業から分社・合併へ

当営業所の歴史は、新京成電鉄株式会社のバス事業に始まります。2003年4月、新京成電鉄のバス事業が分社化され、習志野新京成バス株式会社が設立されました。旧習志野車庫の管轄エリアを引き継ぎ、主に津田沼駅から新京成電鉄線の新津田沼駅・北習志野駅間に沿った地域、特に国道296号方面へ向かう津田沼線やその支線を中心に運行を担いました。また、貸切バス事業も行っていました。2008年9月には船橋新京成バスと共にICカードPASMOを導入。運賃収受方法は時代とともに変更され、当初は区間により前払い・後払いが混在していましたが、2011年3月からは全線で後払いとなりました。2012年2月からは新バスロケーションシステム「Bus Vision」の運用を開始しています。習志野新京成バスは、2014年 4月16日に船橋新京成バス株式会社に吸収合併され、同社の習志野営業所となりました。その後、新京成バス各社が京成グループ内で再編され、現在の京成バス千葉セントラル習志野西営業所となっています。

主要路線の特徴と変遷

当営業所が管轄する主な路線には以下のものがあります。

津田沼線

JR津田沼駅を起点とし、薬園台高校入口を経由して習志野地域、高津団地方面、北習志野駅方面を結ぶ基幹路線です。その成り立ちは、京成電鉄と新京成電鉄の間で行われた路線エリア交換に遡るとされます。これにより、両社の営業エリアが明確化されました。高津団地方面への路線は、東洋バスの運行エリアとの兼ね合いから当初は団地入口止まりでしたが、東葉高速鉄道開業後に団地中央、さらに東口へと延伸されました。北習志野駅方面へは、かつて第二小学校入口経由でしたが、2004年に千葉日大一高経由に変更されました。八千代緑が丘駅へ向かう系統は、かつて古和釜十字路、さらには鎌ヶ谷大仏まで運行していたものが短縮・経路変更されたもので、ちばレインボーバスの神崎線と重複する区間があります。近年では千葉日大一高や朋和産業本社への直通便も運行されています。

三山線

津田沼駅から薬園台高校前を経由し、船橋市東部の田喜野井、二宮神社前へ向かう路線です。途中で津田沼線から分岐し、単独運行区間には狭隘な道路が多いのが特徴です。歴史的には、船橋駅方面へ向かう系統や、終点が大久保であった時代もありましたが、利用状況の変化や京成バスとの競合を経て、津田沼駅発着・二宮神社前までの運行が中心となりました。2022年には、津田沼グリーンハイツを経由して二宮神社前へ向かう新たな津07系統が設定され、津田沼グリーンハイツ線の一部として位置づけられています。

前原線

JR津田沼駅と、アルビス前原（旧・前原団地）を中心とした地域を結ぶ生活路線です。開通当初は千葉病院前までの運行でしたが、飯山満二丁目、東葉高校、東船橋駅へと段階的に延伸されました。飯山満二丁目自治会館付近ではかつて狭い場所で折り返しを行っていました。公団東口から先の区間は道路が狭隘なため、主に中型車が使用されます。車両の小型化が進んだことで、津田沼駅での乗り場が一本化された時期もありました。

津田沼グリーンハイツ線

津田沼駅と津田沼グリーンハイツを結ぶ路線です。1993年の開通当初は三山線と同じ経路でしたが、2002年に新津田沼駅、前原東二丁目経由に変更され、新たな地域へのアクセスを担うとともに、狭隘区間を通過するため中型車主体となりました。2014年には習志野新京成バスで初の急行バス（津18系統）が新設されています。2022年のダイヤ改正では、田喜野井方面へ向かう津07系統が新設され、津田沼グリーンハイツが初めて中間の停留所となりました。

芝山・北習線

船橋駅北口、東船橋駅、飯山満駅と芝山団地周辺を結ぶ路線です。芝山団地造成時に船橋駅へのアクセスとして開設され、当初は団地輸送を目的としたルートでした。しかし、東船橋駅や飯山満駅の開業により路線の性格が変化し、段階的に減便されました。芝山団地内の折返場がUR都市機構の所有地であり賃貸料が発生したことなどから、芝山中学校までの運行に短縮された時期もありましたが、その後飯山満駅への再延伸が実現しています。

車両の動向

習志野新京成バス時代は、UDトラックス（旧・日産ディーゼル）製の車両を中心に導入していましたが、UDトラックスのバス事業撤退に伴い、三菱ふそう製車両への移行が進みました。船橋新京成バスとの合併前には車両の譲渡・転入も行われ、財政状況が影響したと見られています。松戸新京成バスからの転入車もあり、中にはかつて郵便事業の特定輸送に使用された車両や、新京成電鉄旧塗装に近いカラーの車両も存在しました。合併後も車両の置き換えは進み、いすゞ製のエルガミオなども導入されています。近年では松戸新京成バスからの大型ノンステップバスが複数転入し、営業所として初めての大型ノンステップバスとなりました。UDトラックス製の中型車は2024年までに全廃されています。

京成バス千葉セントラル習志野西営業所