京王フローラルガーデンANGEとは？意味をやさしく解説

京王フローラルガーデンANGE：歴史と自然が息づく場所

京王フローラルガーデンANGE（けいおうフローラルガーデンアンジェ）は、かつて東京都調布市多摩川に存在した、京王グループが運営する植物園です。その前身である東京菖蒲苑、京王百花苑の歴史も踏まえ、この場所がどのように変遷してきたのかを詳しく見ていきましょう。

東京菖蒲苑から京王百花苑へ

1956年、この場所は「東京菖蒲苑」として開園しました。1961年には「京王百花苑」と改称され、和風情緒あふれる日本庭園として親しまれました。500種以上の花菖蒲が咲き誇る様は「花菖蒲日本一」と称され、多くの人々を魅了しました。また、名物の流しそうめんも人気を博し、花菖蒲をデザインした記念乗車券の発行や、京王線の営業電車にヘッドマークが取り付けられるなど、当時の人気をうかがい知ることができます。

京王フローラルガーデンANGEとしての新たなスタート

1997年、京王百花苑は廃苑となり、その跡地は大規模な改修を経て、2002年に「京王フローラルガーデンANGE」として生まれ変わりました。名称の「ANGE」は、Amenity Natural Garden of Europeの略で、その名の通り、欧風庭園として新たなスタートを切りました。園内には、マグノリアの木が植えられた「マグノリアガーデン」が目玉として設けられ、その他にもバラ園「ローズガーデン」、桜並木、睡蓮が美しい「モネの池」など、様々な植物が楽しめる空間が広がっていました。温室はありませんでしたが、随所にベンチが設置され、子供たちが遊べる芝生広場も設けられるなど、来園者への配慮もなされていました。

園内入口付近には「ANGEショップ」があり、花の苗や絵葉書、グッズなどが販売されていました。このショップは、入園者以外でも利用可能で、地域の人々にも親しまれていました。園内には自動販売機やごみ箱は設置されておらず、そのため非常に清潔な状態が保たれていました。また、ペットの持ち込みは禁止されていました。

イベントとコミュニティ

京王フローラルガーデンANGEでは、コンサートや写真コンクール、園芸やフラワーアレンジメントの講座など、様々なイベントが開催され、地域住民の交流の場としても機能していました。また、季節ごとにハロウィンのデコレーションやクリスマスのイルミネーションが施され、訪れる人々を楽しませていました。2011年には、バーベキュー施設「BBQ VILLAGE」が園内にオープンし、さらにレジャーの幅が広がりました。

閉園とその後

2021年、京王電鉄は京王フローラルガーデンANGEとBBQ VILLAGEの営業終了を発表しました。これは、京王多摩川駅周辺の再開発計画に伴うもので、閉園後の跡地は、駅周辺の土地と一体的に「京王多摩川駅周辺地区まちづくり」として活用される予定です。

沿革

1955年：京王多摩川駅付近に「京王遊園」が開業
1956年：「東京菖蒲苑」が開園
1961年：「京王百花苑」に改称
1971年：京王遊園が営業終了
1993年：京王百花苑が休苑
1997年：京王百花苑が廃苑
2002年：「京王フローラルガーデンANGE」として開園
2011年：バーベキュー施設「BBQ VILLAGE」が開業
2021年：京王フローラルガーデンANGEおよびBBQ VILLAGEが営業終了

営業時間と入園料

3月～9月：10時～17時30分（入園は17時まで）
10月～2月：10時～16時30分（入園は16時まで）
休業日：毎週水曜日（祝日の場合は翌日）、年末年始
入園料：500円
京王パスポートクラブ会員割引あり
京王アプリ割引クーポンあり
京王電鉄株主優待あり

アクセス

京王相模原線京王多摩川駅下車
京王バス「京王多摩川駅」バス停

京王多摩川駅の副駅名としても採用され、駅名標や車内案内表示器にも「京王多摩川京王フローラルガーデンアンジェ下車駅」と表示されていました。

京王フローラルガーデンANGE