京都妖怪地図

京都妖怪地図について

『京都妖怪地図』（きょうとようかいちず）は、1980年から1997年にかけてテレビ朝日系の「土曜ワイド劇場」で放送された湘南の怪奇ミステリーシリーズです。本シリーズは全7回制作されており、特に妖怪に焦点を当てた独自の視点から描かれたストーリーが印象に残ります。作品数は比較的少ないものの、放送が終了してからも多くの視聴者の記憶に強く息づいている特異な作品群です。

シリーズの大きな特徴の一つは、妖怪役を演じる女優たちに施される特殊メイクです。美しさと奇妙さを併せ持つこれらのメイクは、一見の価値があります。また、物語はミステリーの形式を取りながらも、登場する妖怪たちが実際の犯人となることが多く、物語の整合性やトリックが重要視されない点も独特です。制作を手掛けたのは、怪談ものに定評のある大映の田中徳三監督で、第4作まで彼が監督を務めました。

第1作のタイトルは「雨月物語」を原作とし、名匠溝口健二監督による同作品へのオマージュが含まれているとのこと。この制作では松竹と京都映画株式会社のスタッフが協力し、その後はオリジナルの脚本による作品が展開されました。1997年には再び同じスタッフによって新たな作品が制作され、シリーズは続きます。

主なキャスト

本シリーズには多くのキャラクターが登場しますが、中でも警察関係者のキャストが目を引きます。刑事役を演じた遠藤太津朗、西山浩司、芦屋雁之助はそれぞれの作品で重要な役割を果たしました。また、各話ごとにゲストキャストも多彩で、名脇役たちが物語に深みを与えています。

第一作「嵯峨野に生きる900歳の新妻」

第1作では、宇津宮雅代や三田村邦彦が出演し、物語は900歳の妖怪を中心に展開されます。

第二作「きらら坂に住む400歳の氷女」

この作品では、山村三郎や村田みゆきが主なキャスト。400歳の氷女が物語のキーとなります。

第三作「鳥辺山に棲む八百歳の女子大生」

ここでは、三ツ矢歌子や児島美ゆきらが登場し、800歳の女子大生がストーリーの焦点となります。

第四作「河原町に棲む四百歳の不倫女医」

不倫をテーマにしたこの回では、三ツ矢歌子が再び主要な役を演じ、複雑な人間関係が物語を彩ります。

第五作「嵯峨野に生きた900歳の美人能面師」

この作品では、900年前に亡くなった霊をテーマにし、叶和貴子が能面師としての役を果たします。

第六作「時空を超えて時代祭に甦る愛の伝説」

ここでは、美木良介が社長役を演じるなど、現代的なテーマが特徴的です。

第七作「和久峻三ミステリー 京都セクシー妖怪殺人案内」

最終作では森口瑤子や藤森夕子などが出演し、セクシーな要素を取り入れた物語展開が話題となりました。

再放送と影響

放送終了後も再放送される機会が多くあり、視聴者にとって愛され続けているシリーズです。特にCS放送やケーブルテレビでまとまった再放送が行われ、これまでに多くのファンを魅了してきました。また、近年のHDリマスターによる配信も注目されており、再評価が進んでいます。

このように『京都妖怪地図』は、独特のヒューマンドラマと妖怪文化が融合した出色のサスペンスミステリーで、観る者の想像力をかき立てる魅力で満ち溢れています。

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