田中徳三

田中徳三とは

田中徳三（たなか とくぞう）は、1920年9月15日に大阪市東区の船場で生まれた日本の映画監督であり、2007年12月20日に87歳で亡くなりました。大学は関西学院大学の文学部を卒業した後、彼の人生は戦争の影響を受けることになります。大学在学中に徴兵されタイへ派遣され、終戦をスマトラ島で迎え、さらに1年間の捕虜生活を送ります。戦後、1946年に日本へ帰国を果たしました。

1948年に朝日新聞記者だった兄の勧めにより、大映京都撮影所に助監督として入所しました。この時、彼は溝口健二や黒澤明などの著名な監督の下で修行し、1958年に『化け猫御用だ』で監督デビューを果たします。このデビュー作が評価され、助監督時代にはいくつかの映画祭で賞を受賞し、「グランプリ助監督」という愛称を得ました。

監督としての活躍

田中は、その後も数多くの作品を手掛け、1960年には長谷川一夫主演の『疵千両』で監督新人協会作品賞を受賞しました。1961年に勝新太郎を主演に迎えた『悪名』で、日本映画監督協会特別賞と京都市民映画祭監督賞を受賞。この作品は悪名シリーズとして全16作中、半分を田中が監督したことでも知られています。また、1963年には座頭市シリーズの『座頭市兇状旅』を監督し、大ヒットを記録します。

田中の映画は、その多くがプログラムピクチャーで構成されており、監督作品は49本に及びます。『眠狂四郎』シリーズや『兵隊やくざ』シリーズでも重要な役割を果たし、特に兵隊やくざシリーズでは全9作中6作を監督しました。監督業を行う中で、彼は大映の代表的な作品の製作に携わることとなります。

晩年と遺作

1969年には『秘録怪猫伝』を監督し、大映映画としての最後の作品となりました。その後、大映が倒産したことを受けてフリーの監督として活動を継続。『祭ばやしが聞こえる』といった現代劇や、長寿番組『必殺シリーズ』などテレビドラマにも多く関わりました。

田中は2007年12月20日に脳出血のため、奈良県橿原市の病院で逝去しました。彼の生涯の最後の映画作品は、2007年に撮影された『少年河内音頭取り物語』です。2008年2月2日には、母校でお別れ会が開催され、彼の功績を偲ぶ人々が集まりました。

監督としての人間関係

田中は同時期に活動していた監督の三隅研次と同期であり、井上昭によれば双方の間にはライバル心があったともされます。また、田中の名前について、市川雷蔵から改名すべきだとの意見を受けた際には断り、それが彼の人生観の一端を反映しています。

結論

田中徳三は、日本の映画史の中で重要な人物であり、彼の作品は今もなお多くの人に愛されています。彼の監督した映画は、日本映画の発展に寄与し、後の世代にも影響を与える存在であり続けました。彼の情熱と努力は、映画界における彼の地位を決定づけ、それは今も色褪せることはありません。

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