京都市西京極総合運動公園野球場

わかさスタジアム京都（京都市西京極総合運動公園野球場）

京都市右京区にある京都市西京極総合運動公園内に位置する野球場です。正式名称は「京都市西京極総合運動公園野球場」ですが、一般には「西京極球場」として親しまれています。この施設は京都市が所有し、京都市スポーツ協会が指定管理者として運営を担っています。また、2009年4月からは京都市下京区に本社を置くサプリメントメーカー、株式会社わかさ生活が命名権を取得しており、「わかさスタジアム京都」という呼称が使われています。

歴史と施設の変化

西京極総合運動公園は、1924年（大正13年）に計画され、1930年（昭和5年）から整備が始まった京都市内で最初の運動公園です。これは東宮（後の昭和天皇）の御成婚を記念する事業として構想されました。公園内に野球場が設けられたのは、1932年（昭和7年）4月です。開設当初は両翼100mと、当時の野球場としては広大なフィールドを誇っていましたが、その後ラッキーゾーンが設置され、両翼92mに縮小されました。1965年（昭和40年）3月にはナイター設備が導入され、夜間試合の開催も可能となりました。第43回国民体育大会（京都国体）が開催された1988年（昭和63年）に合わせて、1987年（昭和62年）にはラッキーゾーンが撤去され、再び両翼100mに戻されています。その後、2009年（平成21年）12月から翌年3月にかけて、総工費約2億6000万円を投じた改修工事が実施されました。ただし、日本女子プロ野球機構が2012年以降に当球場で行う試合では、両翼90mの位置に25年ぶりに仮設のラッキーゾーンが設置されています。

京都の野球拠点として

当球場は、古くから様々なカテゴリーの野球の舞台となってきました。1934年（昭和9年）には「京都市設球場」として日米野球が開催された記録があり、これは現在の西京極球場である可能性が高いとされています。この試合では、地元京都出身の沢村栄治投手が登板しています。第二次世界大戦後、1945年（昭和20年）から1951年（昭和26年）まで占領軍に接収された時期を経て、プロ野球のフランチャイズ制が導入された1952年（昭和27年）以降は、松竹ロビンス（後の横浜DeNAベイスターズの前身の一つ）が名目上の本拠地として登記しました。実際には大阪スタジアムでの開催が多かったものの、1953年（昭和28年）と1954年（昭和29年）には準本拠地として多くの主催試合が行われています。これは、当時の松竹が主に利用していた衣笠球場が防災上の理由で学外使用を禁止されたことや、西京極球場自体も改修期間があったことが影響したとされます。

その後も、近鉄バファローズや阪急ブレーブス（現在のオリックス・バファローズの前身）が準本拠地として年間数試合を開催し、大映、毎日、高橋といった当時のパシフィック・リーグ球団も主催試合を行いました。特に阪急ブレーブスは1958年から1982年、そして1988年に準本拠地として多くの試合を行い、1967年10月1日にはこの球場で球団史上初のリーグ優勝を決めるという歴史的な瞬間を迎えています。オリックスとなった後も、1989年以降数試合の公式戦やオープン戦が開催されています。阪神タイガースも、かつては本拠地である甲子園球場が夏の高校野球全国大会で使用できない期間に主催試合を定期的に開催していましたが、近年は神戸や大阪ドームでの開催が増え、西京極での公式戦は減少、2006年以降は老朽化を理由に開催実績がありません。一方で、読売ジャイアンツが2010年4月21日に56年ぶりに公式戦を開催するなど、一時的な利用も見られます。過去には、横浜ベイスターズの売却交渉において、本拠地移転候補地の一つとして当球場の名前が挙がったこともありましたが、実現しませんでした。

プロ野球だけでなく、アマチュア野球においても重要な役割を担っています。毎年春にはJABA京都大会が開催されるほか、大学野球では京都府内の各連盟が使用し、伝統の同立戦（同志社大学対立命館大学）などがここで行われます。2010年には社会人野球日本選手権の地区予選会場としても使用されました。

また、2010年に発足した日本女子プロ野球機構の京都アストドリームス（後の京都フローラ）が本拠地として活動しました。2019年には、独立リーグであるベースボール・チャレンジ・リーグに所属していた滋賀ユナイテッドベースボールクラブも公式戦を開催しています。

球場には長らくフェンス広告が掲示されていますが、一時期はわかさ生活一社のみとなった後、2011年頃からは地元企業を中心に再び複数の企業が広告を出すようになっています。

施設概要とアクセス

グラウンドは内野がクレー舗装、外野が天然芝で、両翼100m、中堅117mの広さを持ちます。照明設備は6基設置されています。スコアボードは2015年の改修でLEDフリーボード式の電光板となり、位置もライトスタンド後方からセンターバックスクリーンへ移設されました。収容人数は20,000人で、内野席が座席で13,300人、外野席が芝生席で6,700人となっています。

命名権は、2008年（平成20年）に京都市が募集したもので、わかさ生活が年額2,500万円で取得しました。当初の契約期間は2009年4月1日から10年間でしたが、2018年に2024年（令和6年）3月31日まで5年間の契約延長に合意しています。

アクセスは、阪急京都本線の西京極駅から徒歩約5分、京都市営バスの「西京極運動公園前」停留所からも徒歩約3分と、公共交通機関での来場に便利です。

公園内には、陸上競技場や体育館（ハンナリーズアリーナ）、京都アクアリーナなど、他にも様々なスポーツ施設が併設されています。

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