京都市電大宮線

大宮線の概要

大宮線（おおみやせん）は、かつて京都市の大宮通を走っていた市電の軌道です。この路線は、明治の終わりから大正の初めにかけて取り組まれた京都市三大事業の一つである「道路拡築並びに電気鉄道敷設事業」や、昭和初期に実施された「都市計画軌道延長 第二期事業（外枠線）」の一環として建設されました。おおみやせんは、四条大宮から九条大宮の間を結ぶ全区間が併用軌道となっており、昭和初期までは千本線と一体となって千本大宮線として知られていましたが、1972年に消滅となりました。

沿革の詳細

大宮線の開業までの過程を見ていくと、1907年（明治40年）3月6日に京都市会で「道路拡築並びに電気鉄道敷設事業案」が可決され、その後の11月21日には、四条大宮から七条大宮間が運行を開始しました。1923年5月26日には、市会で千本大宮線の延長路線が決議され、1935年8月21日に七条大宮から九条大宮間が新たに開業し、これにより大宮線は全線が開通したのです。

1940年12月2日からは急行運転が開始され、日曜祝日を除き、午前6時から午前9時、午後4時から午後7時の時間帯で運行が行われました。その後、1943年2月21日には急行運転が強化され、ついには11月1日からは終日急行運転が実施されるまでに至ります。1962年には再び急行運転の制度が見直され、1964年6月1日には運転がワンマンカー方式に切り替わることとなりました。

1972年に入ると、1月22日に「さようなら 千本・大宮・四条線」特別運行が行われ、1月23日には全路線が廃止され、以降は市バスへの転換が決定しました。啓蒙的な活動の一環として、当時の市民への認識や利用促進が求められましたが、時代の流れには逆らえず、新たな交通手段が必要とされるようになりました。

停留所の紹介

大宮線にはいくつかの停留所が存在しました。

• - 四条大宮（四条通）
• - 大宮松原（松原通）
• - 大宮五条（五条通）
• - 島原口（花屋町通）
• - 七条大宮（七条通）
• - 東寺前（東寺通）
• - 九条大宮（九条通）

また、七条大宮と東寺前の間には「大宮八条」「大宮八条南」「東寺東門前」といった停留所もあり、当時の市民にとって重要な交通手段であったことがうかがえます。

他の交通機関との接続

大宮線は、山陰本線および東海道本線と大宮通にて立体交差する形で接続しており、乗客の利便性を高めていました。このような交通の整備によって、京都市内を移動する際のアクセスが確保され、利用者は便利さを享受できました。

結論

大宮線は京都市の歴史に深く根ざした交通手段であり、その運行は市民生活に大きな影響を与えてきました。廃止された後も市民の記憶に残り、交通史の一部として語り継がれていくことでしょう。

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