京都府立網野高等学校

京都府立網野高等学校：丹後地域の教育を支えた歴史と伝統

京都府京丹後市網野町に存在した京都府立網野高等学校は、地域社会に貢献してきた歴史を持つ公立高等学校でした。本校の全日制課程に加え、丹後町には間人分校（昼間定時制課程）も設置され、多くの生徒が学びました。

教育課程と学科

網野高校は、全日制課程では普通科と、商業に特化した企画経営科を設置。間人分校では普通科が設置され、地域社会の多様なニーズに応える教育を提供していました。商業科はその後企画経営科へと改組され、時代の変化に対応した教育内容へと進化を遂げています。

歴史と変遷

1948年（昭和23年）の開校以来、網野高校は地域社会に貢献してきました。当初は仮校舎からのスタートでしたが、その後、充実した教育環境を整え、多くの卒業生を社会に送り出しました。

1948年9月1日には、本校に加え間人分校、宇川分校に定時制普通科も設置され、幅広い年齢層の学習機会の提供にも尽力しました。1952年には全日制商業科も設置。その後、1981年には本校の定時制課程の募集が停止、1994年には商業科の募集停止と同時に企画経営科が新設されました。

2020年（令和2年）4月、網野高校は京都府立久美浜高等学校と統合し、京都府立丹後緑風高等学校が開校。網野高校の跡地には網野学舎が設置されました。間人分校は募集を停止し、2023年3月に閉校しました。同時期に、宮津高校伊根分校、峰山高校弥栄分校と統合した京都府立清新高等学校も開校しています。

2022年3月1日には、網野高校の全日制最終学年の卒業式と、丹後緑風高等学校への「継承式」が挙行されました。長い歴史に幕を閉じ、新たな教育の時代へとバトンが渡されました。

部活動

網野高校には、男子新体操部や経営実習部など、ユニークな部活動も存在しました。特にレスリング部は全国的に有名で、オリンピック選手や世界選手権優勝者を数多く輩出しており、その実績は地域の誇りでもありました。1988年開催の国民体育大会の京都府北部開催決定を機に、1986年にはレスリング部が創部されたという歴史もあります。

著名な出身者

網野高校からは、レスリング界で活躍した多くの著名な卒業生が輩出されました。伊調千春、井上謙二、篠村敦子、正田絢子、堀内優、高谷惣亮、高谷大地、高橋夢大、伊藤海といった選手たちは、日本のレスリング界を牽引する存在となりました。レスリング部以外にも、ピアニストの安達朋博氏、陸上競技選手の志水見千子氏、車いす陸上選手の寒川進氏、総合格闘家の松嶋こよみ氏など、各界で活躍する人材を育成してきたことがわかります。

まとめ

京都府立網野高等学校は、70年以上に渡り地域社会に貢献してきた歴史と伝統を持つ学校でした。レスリング部を始めとした活気ある部活動や、多くの著名な卒業生を輩出した実績は、その教育の質の高さを物語っています。統合により閉校したものの、その歴史と伝統は、新たな学校へと受け継がれ、これからも地域社会に貢献していくことでしょう。網野高校の果たしてきた役割は、丹後地域の教育史において重要な位置を占めていると言えるでしょう。

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