京阪グラウンド

京阪グラウンドの歴史と役割

京阪グラウンド（けいはんぐらうんど）は、大阪府北河内郡豊野村大字秦にかつて存在したスポーツ施設で、京阪電気鉄道が建設・運営を行っていました。このグラウンドは特に陸上競技および野球の多様な用途に利用され、寝屋川グラウンドとも称されていました。

設立の背景

京阪電気鉄道は1921年に豊野村の一角に約1万5千坪という広大な土地を取得し、翌年の1922年1月にこの地に陸上競技場の建設を進めました。そして、同年4月21日にはついに竣工し、400mトラックをはじめ、100m及び200mのコースを備えた本格的な陸上競技場が完成しました。利用者の便を図るために、完成の前から運動場前駅が特設され、1922年3月23日に開業しました。

その後、京阪グラウンドは5月から野球場の建設が始まり、8月にはテニスコートも完成。11月には運動場前駅が常設駅となりました。こちらの施設は、陸上競技だけでなく、サッカーやラグビーの試合にも利用されるなど、多岐にわたるスポーツイベントの舞台となりました。

野球場の利用

特に野球場では、大学や実業団の公式戦が行われており、1923年には日本初のプロ野球団である芝浦協会が参加する試合も開催されました。また、1924年からは全国中等学校優勝野球大会の大阪大会の会場としても用いられました。ですが同年、阪神電気鉄道によって甲子園大運動場が新たにオープンしたことで、京阪グラウンドの立場は揺らぎ始めました。

その後、京阪グラウンドでは全国選抜中等学校野球大会を招致する計画も浮上しました。改装に向けてアメリカのスタジアムの調査が行われ、大毎新聞と協力関係を築く中で設計図が作成されました。しかし、運輸課からの車両増加が求められたため、経費面に問題があり、計画は頓挫しました。その後、京阪は昭和恐慌に苦しむことになり、改装は行われないままとなりました。

陸上競技場としての利用

京阪グラウンドは、その後もいくつかの重要なスポーツイベントに利用され続け、1927年11月には「日本一決定戦」が行われるなどしましたが、1931年からは大阪大会の会場が藤井寺球場に移ると、利用者は次第に減少しました。最終的には、1942年に住宅営団に売却され、運動場前駅も1943年に豊野駅に改称されました。

その後の跡地

現在、京阪グラウンドの跡地は住宅地となっており、1990年にはその歴史を記念する碑が建立されました。また、2022年には「日本野球聖地・名所150選」にも選定され、過去のスポーツの栄光を伝える場としての役割を担っています。

電鉄リーグへの関与

京阪グラウンドは、当時のプロ野球構想とも関連がありました。電鉄界隈のプロ野球リーグ、いわゆる「電鉄リーグ」の構想には京阪も含まれていましたが、最終的には実現には至らず、プロ野球の成立は1936年に行われました。

このように、京阪グラウンドは地域スポーツの発展に寄与し、様々な競技に利用され、地元の人々に親しまれた施設であったことがわかります。その歴史は現在も多くの人々に語り継がれています。

もう一度検索