人類SOS!

映画『人類SOS!』について

『人類SOS!』（じんるいエスオーエス）は、1962年にイギリスで制作されたSF映画です。本作は、ジョン・ウィンダムの小説『トリフィド時代』を基にしたものであり、その内容は人類の存亡を危うくする壮大なＳＦスリラーとして知られています。主な脚本はフィリップ・ヨーダンが手掛け、製作総指揮も彼が務めています。

映画のストーリー

物語は、ある日地球に降り注いだ流星雨が引き金となり、多くの人々が翌日には失明してしまうところから始まります。しかし主人公であるビル・メイスンは、入院中のため失明せずに済みます。監禁された状態ながらも、彼はトリフィドと呼ばれる食肉植物が人々を襲い繁殖していく様を目撃することになります。

失明した人々が、視界を奪われたまま恐怖にさらされる様子が描かれる中、ビルは偶然にも目の見える少女スーザンと出会い、安全な場所を求めながらさまようことになります。同時に、海岸にある灯台に立てこもっている生物学者グッドウィン夫妻も、流星雨の影響から逃れることができたものの、彼らもトリフィドの脅威に晒されることになります。

トリフィドは急速に繁殖し、盲目になった人々を襲撃する中で、ビルはスーザンを守り、二人は共にトリフィドからの生存を目指します。そして灯台に迫るトリフィドたちとの攻防が繰り広げられます。最終的に、灯台の頂上に追い詰められたグッドウィン夫妻は、思いもよらず、消火用の海水をトリフィドにかけることで、その弱点を見つけ出します。この発見が人類にとっての希望となり、展開が大きく変わることとなります。

キャストとスタッフ

本作の魅力を引き出すためのスタッフ陣も豪華で、製作総指揮はフィリップ・ヨーダンが務め、制作にはジョージ・ピッチャーが関わっています。監督はスティーヴ・セクリーとフレディ・フランシスが名を連ね、撮影はテッド・ムーア、編集はスペンサー・リーヴが担当されています。また、視覚効果にはウォーリー・ヴィーヴァーズが起用され、映画の雰囲気を大いに引き立てています。音楽にはロン・グッドウィンが手掛け、情緒ある音色が映画の緊迫感を高めています。

映画の影響

『人類SOS!』は、1968年のジョージ・A・ロメロ監督による名作ゾンビ映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』にも影響を与えたと言われています。特に、集団で襲撃するシーンは後のホラー映画に多大なインスピレーションを与え、多くの作品にその形式が引き継がれていることが知られています。

数々の映画作品に影響を与えてきたこの作品は、ただのエンターテイメントに留まらず、視覚障害や恐怖といった人間の本能に迫るテーマを内包しています。この『人類SOS!』は、視覚と環境の危険について考えさせる作品として、現在でも多くの視聴者に親しまれています。

もう一度検索