仁王門通 (京都市)

仁王門通について

仁王門通（におうもんどおり）は、京都府京都市左京区にある東西の通りの一つで、全長約1.7kmです。この通りは、鴨川の東岸に位置しており、西側は川端通から、東側は白川通との交差点を経て南東に進み、蹴上交差点で三条通と合流します。

概要

仁王門通は、蹴上交差点から東大路通までの区間は2車線の広い道路であり、三条通のバイパスとして重要な役割を果たしています。南禅寺橋から東大路通の東側にかけては、琵琶湖疏水を挟んで岡崎の文化施設が立ち並んでいます。これに対し、東大路通から川端通までの部分は西行一方通行の狭い道で、住宅と商業が混在する地域です。

歴史

仁王門通の名称の由来は、宝永5年（1708年）の「宝永の大火」後の公家町の拡張によるもので、その際に既存の寺院や民家が移転し、新たな区画が整備されました。この地区では「二条川東」という名称で知られる区域が形成され、仁王門通も川端通から東大路通間に新たに開かれたと推測されています。

仁王門通の名称は、当地に存在する頂妙寺の仁王門に起因しています。頂妙寺は寛文13年（1673年）に現在の京都御苑内から移転されました。『京都坊目誌』では仁王門通の名称が岡崎法勝寺の門に由来するとする記録もありますが、実際には法勝寺の位置とは乖離しているため、頂妙寺が正当な由来であると考えられています。

明治時代に入ると、琵琶湖疏水の岡崎運河南側に京都電気鉄道の鴨東線が設けられ、1895年に開通しました。この路線は1907年に蹴上インクラインの南側に沿って三条通に接続され、その後京都市電として市に買収されました。仁王門通の幅は、1912年に京都市電の東山線が通って以来、広くなりました。1926年には蹴上線が開通し、蹴上までの接続が図られましたが、1945年に一時休止、1965年には廃止となりました。

鴨川東岸の南北の通り

宝永の大火後の御所の拡張に伴って、仁王門通を中心とする南北の通りが開かれました。ここでは、仁王門通南側に位置する新丸太町通や新麩屋町通、新富小路通、新柳馬場通、新堺町通、新高倉通などが創設され、これらの通りはそれぞれ独自の特徴を持っています。これらの通り名はいずれも周辺の町名に由来しています。

仁王門通の北側にも新車屋町通や新東洞院通、新間之町通が続き、これらは地域住民の移転や歴史に基づいた特色を持っています。さらに、沿道には京都の文化を象徴する南禅寺や金地院、京都市美術館、京都国立近代美術館などが立ち並び、観光名所としても知られています。

交通と公共施設

仁王門通は公共交通機関にも利用されています。京都市営地下鉄の東西線の蹴上駅が近く、様々なバス路線が通っているため、交通アクセスも良好です。通り周辺には、京都市国際交流会館や京都市動物園など、多様な施設が点在し、市民や観光客にとって重要な地域となっています。

このように仁王門通は、歴史的背景だけでなく、文化的な交流や地域の発展にも寄与している重要な通りです。

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