今井凌雪

今井 凌雪（いまい りょうせつ）

今井凌雪（本名：今井潤一）は、1922年12月19日に奈良県奈良市で生まれた日本の著名な書家です。彼は書法研究雪心会の会長を務め、筑波大学の名誉教授としても知られています。また、読売書法会の常任総務を担い、社団法人日展の参事や日本書芸院の名誉顧問としても活動していました。さらに、国際書道連盟の顧問として、海外における書道の普及にも寄与しています。

経歴

今井は、郡山中学（現在の奈良県立郡山高等学校）を卒業後、天理語学専門学校（現天理大学外国語学部）を経て、駸々堂に入社しました。1949年には立命館大学法文学部経済学科を卒業し、その後、中谷釜雙や辻本史邑に師事して書を学びました。

教育者としては東京教育大学、筑波大学、大東文化大学で教授職を務め、大東文化大学書道文化センターの所長を歴任しました。また、1988年には大東文化大学書道研究所の初代所長に就任し、1991年までその職を全うしました。さらに、中国でも西泠印社の名誉社員や浙江中国美術学院の客員教授、上海復旦大学の兼職教授を務め、国際的にも高い評価を得ました。

メディア活動

書道の普及に尽力する一方で、テレビ番組にも多く出演しました。例えば、NHK教育テレビの「婦人百科」や「NHK趣味講座 書道に親しむ」では講師を務め、視聴者に書道の楽しさを伝えました。

映画や著作

今井は映画の題字担当としても知られ、黒沢明監督作品である「乱」「夢」「まぁだだよ」などの題字を手掛けました。さらに、2002年に公開された映画「阿弥陀堂だより」や、岩波書店の新日本古典文学大系の題字も担当しています。

また、彼の豊富な著作物は、書道の専門的な技術や理論を学ぶ上で必携の書となっています。主な著作には「書道漢字－初歩から創作まで」や「書を志す人へ」などがあります。これらの著書は、初心者から上級者まで幅広く支持されています。

受賞歴

今井はその業績により、1952年に奈良県文化賞、1982年には日展文部大臣賞、1987年には日本芸術院賞・恩賜賞を受賞しています。加えて、勲三等瑞宝章も受章しており、その教育活動や書道作品に対する評価は非常に高いものです。

生涯と遺産

今井凌雪は、2011年7月26日に膵臓がんで亡くなりました。享年88歳。彼の死は日本の書道界にとって大きな損失であり、多くの弟子や書道愛好者に惜しまれました。

今井の作品や教育理念は今なお多くの人々に影響を与え続けており、彼の足跡は日本の書道史に深く刻まれています。特に、彼が持ち寄った技術や思想は、これからの書道の未来に向けても重要な役割を果たすことでしょう。

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