今出川実順

今出川実順（菊亭）について

今出川実順（いまでがわ さねあや）は、江戸時代後期から末期にかけて活躍した公卿です。菊亭と号し、激動の時代において朝廷内で重要な役割を果たしました。

生涯

天保7年（1836年）に叙爵された後、清華家の当主として異例の速さで昇進を重ねました。侍従、左近衛権少将を経て、嘉永2年（1849年）には従三位・右近衛権中将に任じられ、公卿としての地位を確立します。

安政5年（1858年）には、幕府が朝廷に求めた日米修好通商条約の勅許に反対し、廷臣八十八卿列参に加わりました。これは、朝廷の権威を守り、幕府の独断的な外交政策に異議を唱える行動でした。しかし、この行動が原因で、安政の大獄に連座することになります。

安政6年（1859年）には権中納言に任命されます。実順の死後、養子の今出川脩季が家名を「菊亭」に改めました。明治17年（1884年）には、菊亭家は清華家であることから侯爵に叙せられています。

系譜

父：今出川公久
母：不詳
妻：鷹司美津子（関白鷹司政通の娘）
養子：菊亭脩季（実父は関白鷹司輔煕。美津子の甥）

廷臣八十八卿列参事件と安政の大獄

今出川実順が関与した廷臣八十八卿列参事件は、幕末の政治情勢を大きく揺るがす出来事でした。日米修好通商条約の勅許問題は、朝廷と幕府の対立を表面化させ、多くの公卿や志士たちが政治的な圧力を受けることとなりました。安政の大獄では、井伊直弼によって多くの人々が弾圧され、今出川実順もその影響を受けました。

菊亭家について

菊亭家（きくていけ）は、清華家の一つであり、代々朝廷において重要な役割を担ってきました。今出川実順の養子である菊亭脩季が家名を改めた後も、菊亭家は格式の高い家柄として、明治時代以降もその地位を保ちました。

まとめ

今出川実順は、江戸時代末期の激動の時代に、公卿として朝廷に仕え、国事に奔走しました。廷臣八十八卿列参事件や安政の大獄といった歴史的な出来事に関与し、その生涯は波乱に満ちたものでした。彼の功績は、日本の近代化に貢献した人々の記憶として、今も語り継がれています。

もう一度検索