今城家

今城家：上冷泉家から分かれた公家・華族の系譜

今城家は、由緒ある公家・華族の家系であり、その起源は藤原北家花山院流に遡ります。公家としての家格は羽林家、華族としては子爵家の地位を有していました。その歴史は、上冷泉家との深い繋がりと、独自の家系の確立という興味深い展開を含んでいます。

今城家の始まりは、中山親綱の次男である為親に遡ります。天正13年（1585年）、上冷泉家の当主・為満が勅勘を受け京を追われると、上冷泉家の存続を託された為親は養子として迎えられました。しかし、慶長3年（1599年）の為満の赦免と帰京により、為親は上冷泉家を離れ、新たな家を興すことを許されます。彼は冷泉家、あるいは中山冷泉家として家名を継承しました。

江戸時代に入ると、権中納言を務めた冷泉為尚の息子である為継が、家名を「今城」と改め、名を定淳と改めました。一般的には彼を今城家の祖としますが、中山冷泉家をその前身とする見解もあります。江戸時代の石高は181石と記録されており、家職は和歌と有職故実、宮廷文化に深く関わる家系であったことがわかります。

明治維新後、定徳が子爵に叙せられ、華族としての地位を確立しました。今城家は、上冷泉家という名門からの分家として始まり、独自の道を歩み、和歌や有職故実の伝統を受け継ぎながら、幕末まで続きました。

幕末期の領地

国立歴史民俗博物館の『旧高旧領取調帳データベース』によると、幕末期の今城家の領地は以下の通りでした。

山城国愛宕郡花園村のうち：10石余
山城国葛野郡御所之内村のうち：100石
山城国乙訓郡築山村のうち：65石
山城国紀伊郡吉祥院村のうち：5石余

合計で4か村、181石余の領地を有していました。これらの土地は、京都府周辺に位置しており、当時の今城家の経済的基盤を垣間見ることができます。

系譜と家系図

今城家の系譜は、複雑な養子縁組や婚姻関係を含んでおり、詳細な家系図を作成することで、その歴史をより深く理解することができます。 （※ここでは家系図の図表は割愛）

参考文献

橋本政宣編『公家事典』吉川弘文館、2010年
霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧[[華族家系大成]]』上巻、霞会館、1996年
* 近藤敏喬編『宮廷公家系図集覧』東京堂出版、1994年

今城家の歴史は、上冷泉家との複雑な関係、独自の改名、そして和歌や有職故実という伝統を受け継いだ家系としての発展など、様々な要素を含んでいます。これらの要素を丁寧に検討することで、今城家という公家・華族家の歴史像をより鮮やかに浮かび上がらせることができるでしょう。

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