今堀拓也

今堀拓也

今堀拓也（いまほり たくや、1978年 - ）は、日本の現代音楽作曲家です。神奈川県横浜市に生まれ、現代音楽の分野で国際的な評価を得ています。

経歴

今堀氏は、玉川大学文学部芸術学科で三界正実、土居克行に師事し、音楽の基礎を築きました。その後、パリ・エコールノルマル音楽院に進み、平義久の指導を受けました。2005年から2006年には、IRCAM（フランス国立音響音楽研究所）で作曲家研究員として、フィリップ・ルルー、ジャン＝リュック・エルヴェに師事し、エレクトロニクス音楽の探求を深めました。この経験が、彼の作品にエレクトロニクスが多用されるようになるきっかけとなりました。

さらに、2012年からはジュネーヴ州立高等音楽院でミカエル・ジャレル、ルイス・ナオンに師事、2014年からはローマ・サンタ・チェチーリア国立アカデミアでイヴァン・フェデーレに師事し、作曲の研鑽を積みました。

受賞歴

今堀氏は、数々の国際的な作曲賞を受賞しています。

ガウデアムス賞
武生作曲賞入選
CCMC2015入選
ISCMスウェーデン支部ヴィスビー国際作曲家センターVICCレジデント（2012年、2015年）
New Made Ensembleの公募入選
ヴィッテン室内楽現代音楽祭、アンサンブル・モデルン国際アカデミー（IEMA）公募入選
第2回バーゼル作曲コンクール第3位（2019年）
KLANG国際作曲コンクール第1位およびフランス国立モンペリエ・オペラ管弦楽団による特別賞（2020年）

活動

今堀拓也の作品は、国内外で広く演奏されています。

2001-2010

16人のアンサンブルのための『時の環 Circle of Time』は、2001年にオランダのガウデアムス国際音楽週間で演奏され、ガウデアムス賞を受賞しました。その後、ドイツのドナウエッシンゲン音楽祭やベルリンでも再演されています。
フルートオーケストラのための『Woven Breaths』は、ガウデアムス財団の委嘱作品として作曲され、ガウデアムス音楽週間で初演されました。
2003年のラジオフランス・プレザンス音楽祭では、弦楽四重奏のための『Commentaire sur la symphonie n. 2 de Hans Werner Henze』が演奏され、France Musiqueで放送されました。
ヴァイオリンとピアノのための『同期（サンクロニザシオン） Synchronisation』は、パトリシア・コパチンスカヤと大井浩明によって初演され、その後も様々な演奏家によって再演されています。姉妹曲であるフルートとピアノのための『Synchronisation II』も、国内外で演奏されています。
六重奏のための『Éclat dans la pénombre』は、パリで初演された後、ローマ音楽公園アウディトリウムでも再演されました。
2005年には、横浜みなとみらいホールにてJust Composed in Yokohamaの新作委嘱作品『Au cœur』を初演しました。
IRCAMでは、オンド・マルトノとライブ・エレクトロニクスのための『La lune pâlie de l’aurore』を製作し、初演しました。また、フルート、クラリネット、ピアノとエレクトロニクスのための『Brassage』や、フルートとエレクトロニクスのための『Reflet dans l’image』なども発表しています。
2010年には、ヴァイオリンとハープのための『レースを編む女』が武生国際音楽祭で初演されました。

2011-

笙とピアノとエレクトロニクスのための『Layer of Lights』は、中村華子と朝川麻里の演奏、中西宣人の映像演出を伴って初演されました。
アクースモニウム作品『主の祈り』や、ヴァイオリン、チェロとエレクトロニクスのための『交わる鎖』などが発表されました。
2011年9月には、キプロスのニコシアでのファロス現代音楽祭でフルート、クラリネットとピアノのための『Vines』が初演されました。
ヴィブラフォン、マリンバとエレクトロニクスのための『錬金術』は、アジアコンピュータ音楽プロジェクトACMPで初演され、その後も各地で再演されています。
2012年には、ベルギーの在ブリュッセル日本大使館でエレクトロニクスをともなう『弦楽四重奏曲』が演奏されました。
フィンランドのポルヴォーでは、弦楽オーケストラとエレクトロニクスのための『Aino』が演奏されました。
イタリアのコンティリアーノでは、9人のアンサンブルとエレクトロニクスのための『Glacier』が演奏されました。
2012年9月には、トリオmmm...の震災義援音楽配信プロジェクトで、フルート、ヴァイオリン、ピアノのための『雪の聖母』が発表されました。
2013年には、オーストリアのミュルツツーシュラークでフルート、ヴァイオリン、ピアノのための『Trio』が初演され、演奏者が現代作品パフォーマンス賞を受賞しました。
2014年には、京都MEDIA SHOPでの講演企画に出演し、エレクトロニクスの援用について講演を行いました。
2015年には、日本電子音楽協会のインタビューで、アクースモニウム作品『Paysage』、17人のアンサンブルとエレクトロニクスのための『結晶作用 - スタンダールの恋愛論による Cristallisation - d'après «De l'Amour» de Stendhal』、オーボエ、ハープとエレクトロニクスのための『Battements d’ailes de canard dans la rosélière（葦辺行く鴨の羽音）』、ピアノと16人のアンサンブルとエレクトロニクスのための『Illusione dell’acqua lucente（輝ける水の幻影）』などが紹介されました。
2015年12月3日には、イタリア・ローヴェレでNew Made Ensembleの公募入選により『I Colliblì』が演奏されました。
2017年4月23日には、イタリア・トレントでMotocontrario Ensembleにより『Rosa Rugosa』が演奏されました。
2017年5月5日には、ドイツ・ヴィッテン室内楽現代音楽祭で『Accumulation』が演奏されました。
2018年4月より6月まで、オーストリア文化庁KulturKontaktレジデンス招聘作曲家としてウィーンに滞在しました。同年10月にはEnsemble Reconsilにより『Rosa rampicante（蔓薔薇）』がウィーンのReaktorで初演されました。
2019年2月24日には、第2回バーゼル作曲コンクールにてオーケストラのための『綺麗に咲く千の花とともに Con mille fiori che sbocciano così belli』が第3位を受賞しました。
2020年6月6日、KLANG国際作曲コンクールで『Cristallisation（結晶作用）』が第1位およびフランス国立モンペリエ・オペラ管弦楽団による特別賞を受賞しました。
2020年12月19日先行公開の映画『ネズラ1964』で劇中音楽および主題歌『ネズラマーチ』の作曲を担当しました。

主要作品

16人のアンサンブルのための『時の環 Circle of Time』
フルートオーケストラのための『Woven Breaths』
弦楽四重奏のための『Commentaire sur la symphonie n. 2 de Hans Werner Henze』
ヴァイオリンとピアノのための『同期（サンクロニザシオン） Synchronisation』
フルートとピアノのための『Synchronisation II』
六重奏のための『Éclat dans la pénombre』

...（その他多数）

外部リンク

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