今村文昭

今村 文昭

熊本県人吉市に生まれ、プロ野球の世界で投手、内野手として活躍した人物、今村文昭氏（1977年7月13日生）についての項目である。

野球に触れたのは小学4年生の頃。その後、進学した九州学院高等学校では、マウンドとグラウンドで投打にわたる才能を発揮した。高校3年生時の1995年には、春の県大会でチームを優勝に導き、続く九州大会でも準優勝という成績を収めた。特に九州大会では3本の本塁打を放つなど、打撃面でもその能力を示した。しかし、同年夏の県大会では決勝で惜しくも敗れ、甲子園への出場は叶わなかった。

同年秋のプロ野球ドラフト会議において、オリックス・ブルーウェーブから1位指名を受けてプロ入りを果たした。これは、後に球界を代表する選手となる福留孝介選手の抽選を外した後の指名であった。

プロ入り後、当初は内野手として育成されたが、プロの壁は厚く、入団からの5年間で一軍での出場機会はわずか9試合にとどまった。打撃面ではプロ初安打、初打点も記録したが、レギュラー獲得には至らなかった。

転機が訪れたのは2001年。異例とも言える内野手から投手へのコンバートを決断。この転向が奏功し、転向初年度ながら、スライダーやフォークボールを駆使し、プロ入り後初となる勝利を挙げた。翌2002年には、主に中継ぎとして24試合のマウンドに上がり、投手としての存在感を示した。

しかし、2003年は成績が振るわず、シーズン終了後には球団から戦力外通告を受け、プロ野球選手としてのキャリアに終止符を打った。

現役引退後もオリックス球団に残り、球団本部アシスタントスタッフ兼打撃投手として選手の練習をサポートする立場に就いた。長年にわたりチームの裏方として貢献し、2015年からは球団本部編成部スコアラーグループの一員として、スコアラーの職務に就き、チームの強化に尽力している。

プロ野球での主な記録

打撃記録
初出場・初先発出場: 1999年4月7日、対大阪近鉄バファローズ1回戦（大阪ドーム）にて、「8番・指名打者」としてスタメン出場。
初安打: 1999年5月8日、千葉ロッテマリーンズ戦（千葉マリンスタジアム）で、5回表に園川一美投手からライト前へ放った安打。
初打点: 1999年5月14日、西武ライオンズ7回戦（西武ドーム）の6回表に、日高剛選手の代打として出場し、森慎二投手からレフト前への2点適時打。
投手記録
初登板・初勝利: 2001年3月28日、対西武ライオンズ2回戦（グリーンスタジアム神戸）。10回表に4番手として救援登板し、1回1失点ながらチームが逆転したため勝利投手となった。
初奪三振: 2001年4月2日、対日本ハムファイターズ1回戦（東京ドーム）の6回表、中村豊選手から記録。
初セーブ: 2002年4月13日、対千葉ロッテマリーンズ2回戦（グリーンスタジアム神戸）。7回表から2番手として救援し、そのまま試合終了まで投げきって達成。
初先発: 2003年9月28日、対千葉ロッテマリーンズ25回戦（千葉マリンスタジアム）。先発するも1回0/3を投げ5失点で敗戦投手となった。

背番号

32 （1996年 - 1998年）
4 （1999年 - 2000年）
39 （2001年 - 2003年）
105 （2004年 - 2014年）

関連情報

現役時代の同僚には、今村氏と同様に野手から投手へとキャリアチェンジを図った嘉㔟敏弘氏や萩原淳氏らがいる。
* 2024年よりメジャーリーグのロサンゼルス・ドジャースで山本由伸投手の専属通訳を務める園田芳大氏は、九州学院高校時代の同級生にあたる。

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