仙台市交通局白沢出張所

仙台市交通局白沢出張所：宮城の地域を支えるバス拠点

仙台市交通局白沢出張所は、宮城県仙台市青葉区に位置する、仙台市営バス（仙台市交通局自動車部）の出張所です。川内営業所の管轄下にあり、庁舎、整備工場、給油施設、洗浄施設、車庫、そしてバス停留所を備えた大規模な施設となっています。出張所のシンボルマークは、にわとりです。

歴史と変遷：陸前白沢駅から愛子へ

白沢出張所の歴史は古く、1943年に仙台市が買収した定義乗合自動車の車庫がルーツです。当初は陸前白沢駅前にありましたが、バスの運行台数増加に伴い、より広い敷地が必要となりました。借地であったため、国道48号沿いの愛子地区に移転、1966年に白沢車庫として改組、その後白沢出張所として開設されました。

市営バスの事業効率化を図るため、2006年にはJRバス東北に車両運転業務の委託を開始。これは仙台市営バスにおける民間委託の第一号事例となりました。委託期間は5年契約でしたが、その後も継続されています。出張所に配置されているバスは、原則として三菱製です。

2000年には初めてワンステップバスを導入、2007年にはノンステップバスを導入（当初は実沢営業所からの転属）し、2010年には民間事業者への委託先としては初めてとなるノンステップバスの新車を導入するなど、時代の流れに沿った車両更新も進めてきました。

運行路線：観光路線から過疎路線まで幅広くカバー

白沢出張所は、青葉区宮城総合支所周辺地域と太白区秋保町を主な運行エリアとしています。運行系統はそれほど多くありませんが、仙台駅と白沢車庫を結ぶ路線が運行されています。

主な運行路線は、観光客に人気の作並線や定義線です。一方、八ツ森線や二口線は、仙台市営バスの中でも有数の過疎路線であり、運行状況の変化や見直しも検討されてきました。実際、八ツ森線は2021年に廃止されています。

具体的な路線内容は以下のとおりです。運行系統や経路は変更される場合がありますので、最新の情報は仙台市交通局の公式ウェブサイトをご確認ください。

作並線: 仙台駅と作並温泉を結ぶ主要路線で、急行便も設定されていました。2024年4月からは仙台駅前行きの全便が愛子駅を経由するようになっています。

定義線: 仙台駅と定義を結ぶ路線で、熊ヶ根橋～定義間はフリー乗降となっています。いくつかの系統があり、湖畔公園前や大倉ふるさとセンターを経由する便も運行されています。2024年4月からは仙台駅前行きの全便が愛子駅を経由するようになっています。

芋沢線・大沢線: 仙台駅と芋沢、大沢地区を結ぶ路線で、近年は路線の短縮や系統変更が行われています。

折立・茂庭台線: 仙台駅と折立、茂庭台地区を結ぶ路線です。川内営業所と共管で運行されています。

秋保・二口線: 仙台駅と秋保温泉、二口渓谷を結ぶ路線です。並木～二口間はフリー乗降となっています。運行頻度や系統には変更がある路線です。

交通公園線: 仙台市内を循環する路線で、川内営業所と長町営業所が共管で運行しています。

廃止路線と地域交通の課題

近年、白沢出張所ではいくつかの路線が廃止されています。特に八ツ森線は、利用者数の減少により2021年に廃止されました。代替として、オンデマンド交通が導入されています。過疎地域における公共交通の維持は、大きな課題となっています。

白沢車庫前バス停

白沢出張所構内には「市営バス白沢車庫前」バス停があり、多くの路線が乗り入れています。かつては、ドライバー交代や補助員乗務が行われていましたが、現在は補助員は乗務していません。

まとめ

仙台市交通局白沢出張所は、観光地へのアクセスや地域住民の生活を支える重要な拠点です。変化の激しい公共交通の現状の中、効率的な運営と地域ニーズへの対応が求められています。今後の動向に注目です。

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