仙台港駅

仙台港駅（せんだいこうえき）は、宮城県仙台市宮城野区に所在する仙台臨海鉄道の主要な貨物駅です。その敷地の一部は隣接する多賀城市にもまたがっています。この駅は、仙台臨海鉄道の臨海本線、仙台埠頭線、仙台西港線という主要な路線が交わる結節点であり、同社の運行体系において極めて重要な役割を果たしています。仙台臨海鉄道の本社も当駅の最寄りに位置しており、さらに貨物列車を牽引する機関車が所属する機関区も構内に設けられています。

駅構造

地上駅として設計されており、駅構内には一つのコンテナホームが設けられています。このホームは、南北それぞれに一本ずつの荷役線が配置されており、効率的な貨物積み下ろし作業に対応しています。ホーム上には、税関手続きが必要な貨物の一時保管場所である保税蔵置場の機能を持つ上屋（コンテナヤード）が整備されています。ホームの南側には機関区の設備が広がり、その西側には多数の着発線が設けられており、列車の組成や待機が行われています。

取扱貨物

当駅で扱われる貨物は、主にコンテナ貨物と車扱貨物です。

コンテナ貨物としては、一般的な12フィートコンテナに加え、国際輸送に使用されるISO規格の20フィートおよび40フィート海上コンテナを取り扱っています。特に、東北地方において40フィートの海上コンテナを扱える貨物駅は、当駅と福島県の小名浜駅の二箇所のみであり、その機能の希少性を示しています。
車扱貨物については、特定の顧客からの委託に基づき、私有貨車の検査、修繕、あるいは解体といった業務に関連する貨物の取り扱いが行われています。

輸送サービス

特筆すべき輸送サービスとして、神奈川臨海鉄道の横浜本牧駅との間で海上コンテナ専用列車が定期運行されています。この列車は、仙台港と京浜港を結ぶ重要な動脈となっており、発送列車は平日の夜間に、到着列車は火曜日から土曜日の早朝に運行されています。また、当駅を起点（または経由地）として、西濃運輸が運行するブロックトレイン「カンガルーライナーSS60」も利用されています。この列車は、郡山貨物ターミナル駅を経由し、遠く吹田貨物ターミナル駅までを結び、長距離の定期貨物輸送を担っています。

歴史

仙台港駅は、1971年（昭和46年）10月1日にその運用を開始しました。開業から時を経て、貨物取扱の多様化が進められました。1988年（昭和63年）3月13日には、近代的な物流の要となるコンテナ貨物の取り扱いが始まりました。さらに、国際物流への対応を強化するため、1998年（平成10年）3月23日には海上コンテナの取り扱いが開始されました。2001年（平成13年）6月14日には、国際貨物の一時保管に必要な保税蔵置場が設置され、国際輸送の中継点としての機能が拡充されました。

利用状況

当駅の貨物取扱量は、経済状況や物流ニーズを反映しています。以下は近年の主な取扱実績です。

2003年度
コンテナ貨物: 発送 68,114トン、到着 66,039トン
車扱貨物: 発送 159トン、到着 1,256トン
2004年度
コンテナ貨物: 発送 69,470トン、到着 62,774トン
車扱貨物: 発送 400トン、到着 570トン

これらの数値は、特にコンテナ貨物が取扱量の大部分を占めていることを示しています。

周辺環境

駅の近隣には、海上交通の拠点である仙台港フェリー埠頭があり、旅客および貨物のフェリー輸送が行われています。また、主要な物流事業者である西濃運輸の仙台支店も駅近くに位置しており、連携した貨物輸送網が構築されています。

接続路線と隣駅

仙台臨海鉄道 臨海本線:
陸前山王駅 - 仙台港駅 - 仙台北港駅
仙台臨海鉄道 仙台埠頭線:
仙台港駅 - 仙台埠頭駅
仙台臨海鉄道 仙台西港線:
仙台港駅 - 仙台西港駅

当駅はこれらの路線のハブとして機能しています。

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