仙石政固

仙石政固：出石藩最後の藩主とその生涯

仙石政固は、但馬国出石藩の第8代にして最後の藩主（知藩事）です。出石藩仙石家11代当主にあたります。天保14年（1843年）、出石藩第5代藩主・仙石久道の六男、土岐政賢の長男として誕生しました。生母については記録が残されていません。

政固の父である土岐政賢は、本来ならば第6代藩主を継ぐ資格がありました。しかし、異母兄である第6代藩主・仙石政美が後継ぎなく死去したことで発生した「仙石騒動」の際、病弱であったため、家督は異母弟の仙石久利が継ぎました。久利にも嗣子がなかったため、政固は早くから久利の養嗣子として指名され、藩主の後継者として育成されました。

幕末の動乱期、政固は久利と協力して藩政に携わりました。藩政を掌握していた堀新九郎を、文久2年（1862年）に切腹に追い込むなど、強硬な手段も辞さず藩政改革を進めました。慶応元年（1865年）5月には正式に久利の養嗣子となり、明治元年（1868年）4月には学校権判事に任命されました。

明治3年（1870年）1月、養父・久利の隠居に伴い、家督を継いで知藩事となりました。しかし、明治4年（1871年）7月の廃藩置県により、知藩事を免官されました。その後、明治8年（1875年）4月には明治天皇の侍従に任命され、宮廷に仕えました。明治12年（1879年）9月に侍従を退任した後も、明治17年（1884年）7月には子爵に叙爵され、華族として高い地位を保ちました。

政固は従二位まで昇進し、明治23年（1890年）7月には貴族院議員に選出されました。貴族院議員として活躍しましたが、同年に死去しました。享年75歳でした。

栄典と叙位

政固の生涯における栄典と叙位は以下のとおりです。

位階：
1886年（明治19年）12月25日 - 正五位
1902年（明治35年）6月20日 - 従三位
勲章：
1906年（明治39年）4月1日 - 勲四等旭日小綬章
1914年（大正3年）6月18日 - 勲三等瑞宝章

家族

父：土岐政賢
母：不明
養父：仙石久利
正室：峯子（木下俊敦の娘）
子女：
長男：仙石政敬（1872年 - 1935年）
* 男子：諏訪忠久（1885年 - 1922年、旧名仙石政恒）

仙石政固は、激動の時代を生き抜き、藩主、政府高官、そして華族として重要な役割を果たしました。彼の生涯は、日本の近代化における重要な転換期を象徴するものです。

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