必殺仕置屋稼業

必殺仕置屋稼業

『必殺仕置屋稼業』（ひっさつしおきやかぎょう）は1975年7月から1976年1月まで、NETテレビ（現在のテレビ朝日）で放映された時代劇です。このドラマは全28話で構成され、主演を沖雅也が務めました。本作は必殺シリーズの第6作目であり、中村主水シリーズの第3作目に位置付けられています。

放送背景

前作『必殺必中仕事屋稼業』が高視聴率を記録した一方、ネットチェンジの影響を受けて視聴率が低下したことから、制作者は人気キャラクターの中村主水の再登場を決定し、彼を主軸に据えた本作が企画されました。中村主水は、シリーズの顔として定着させる意図が製作側にはあったようです。シリーズには、藤田まこと以外のキャストとしても、有名な中村玉緒や沖雅也の他に新克利や渡辺篤史、小松政夫ら新しい面々が加わりました。

オープニングと演出

オープニングシーンでは、現代の京都市を背景に主水がスーツ姿で歩く場面が描かれ、視聴者に新鮮な印象を与えました。この場面は視聴者に、時代劇でありながらも現代的な物語を予感させます。また、主水が先陣を切ることが多かったものの、劇中クレジットでは市松が先に名を連ねるなど、視聴者の興味を引く工夫がなされています。

あらすじ

中村主水は南町奉行所に転属され、金銭的な困窮に直面する中、女髪結いのおこうの依頼を受けることで再び裏稼業に戻ります。やがて彼は、捨三や印玄、そして市松と共に「仕置屋」を立ち上げ、数々の依頼を受けることに。依頼の内容はおこうが仲介し、主水は仲間たちと共に計画を練り実行しますが、仲間や敵との関係も複雑化し、物語は緊迫した展開を見せます。

登場人物

主水として知られる中村主水は、南町奉行所の同心として仕置屋を運営していく中で、新たな摩擦や苦悩を抱えることになります。その一方で、市松は冷静沈着な性格であり、主水との邂逅を経て仕置屋に加わることになり、彼の過去や感情の葛藤がストーリーを引き立てます。印玄や捨三といった個性的なキャラクターも、ストーリーに大きく寄与しており、特に捨三は主水に対する忠誠心が強く、彼をサポートし続けます。

結末と影響

最終回に向けて、各キャラクターの運命が交錯し、さまざまな感情が駆け巡ります。特に印玄は、仲間の命を救うために自己犠牲を選ぶ場面が感動を呼び、多くの視聴者の心に残りました。『必殺仕置屋稼業』は、シリーズの中で重要な役割を果たし、視聴者に強い印象を与え、後の作品へとつながる基盤を築いた作品となっています。

本作は、時代劇の枠を超えた人間ドラマを描いており、視聴者に愛される要素が詰まった名作として、今もなお語り継がれています。

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