資源局

資源局の概要

資源局（しげんきょく）は、日本の内閣の外局として1927年に設立された国家総動員準備機関です。この機関は、第一次世界大戦後に、大日本帝国陸軍が培ってきた国家総動員思想を法制化し、制度的に保障するために重要な役割を果たしました。その設立背景には、戦争の脅威や国防に関する議論が高まっていたことがあります。

設置の経緯

資源局の設置は、1922年に国勢院が廃止された後、数年の間は国家総動員体制を統括する組織が存在しませんでした。しかし、1926年になると、帝国議会で国防に関する論議が活発に行われるようになり、安倍内閣は「国家総動員機関設置準備委員会」を設置することを閣議で決定しました。この委員会での議論を経て、1927年5月27日に「資源局官制」が勅令で発布され、資源局が正式に設立されました。資源局は内閣総理大臣の管理下にあり、総動員資源の効果的な統制と運用を行うことを目的としました。

構成と運営

資源局の管理は内閣総理大臣が行い、いくつかの課から構成されていました。具体的には、総務課、調査課、施設課、企画課の4つがあり、それぞれ異なる業務を担当しました。総務課は人事や文書、会計、資源の統制運用に関する法令の準備を行いました。調査課は資源の現況や戦時需給についての調査を担当し、施設課は資源の育成と管理に必要な施設を設置しました。そして企画課は、資源の補填、配分、その他の運用計画の策定に携わりました。さらに、資源局設立に合わせて資源審議会が設置され、内閣の諮問機関として機能しました。審議会は、総理大臣が任命した総裁、副総裁、及び委員によって構成され、資源に関する重要な決定を行う役割を持ちました。

主な取り組み

資源局は、1929年4月12日には資源調査法（法律第53号）を制定し、戦時における総動員計画の設定とその処務要綱を策定しました。この要綱に基づいて、総動員基本計画や様々な指示事項が作成され、国家総動員体制の整備を進めました。資源局は、戦争の準備を整えるために重要な機能を果たし、内閣の指導のもとで資源の効率的な管理を行いました。

統合とその後の歴史

資源局は1937年に支那事変が勃発したことを受けて、企画庁と統合され、企画院へと改組されました。この改組により、資源局が持っていた機能や役割は引き継がれ、国の政策における重要な組織として活動を続けました。

歴代長官

資源局の歴代長官には、以下の人物が就任していました。

• - 宇佐美勝夫（1927年5月27日 - 1933年1月18日）
• - 堀切善次郎（1933年1月19日 - 1933年9月18日）
• - 川久保修吉（1933年9月19日 - 1936年4月23日）
• - 松井春生（1936年4月24日 - 1937年10月23日）

結論

資源局は日本の国家総動員体制を支える重要な機関であり、戦争という厳しい局面において資源を有効に活用するための土台を築きました。特に国家防衛におけるその役割は、時代の変遷と共に進化し続け、最終的には企画院に統合される形でその機能を保持しました。

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