伊九型潜水艦

伊九型潜水艦

伊九型潜水艦（いきゅうがたせんすいかん）は、大日本帝国海軍で活躍した艦級の潜水艦であり、一般的には巡潜甲型（じゅんせんこうがた）としても知られています。この艦型には、伊号第九潜水艦から伊号第十一潜水艦までの三隻が建造され、1941年から1942年にかけて竣工しました。また、改良型として伊号第十二潜水艦および伊十三型潜水艦も計画されましたが、これらは戦争の激化の中でそれぞれ異なる役割を果たしました。

開発の背景

伊九型潜水艦は、無条約時代の1937年度にかかる③計画の一環として、従来の伊七型潜水艦の発展型として設計されました。この計画には、乙型と丙型など、他の巡潜型潜水艦も含まれていましたが、伊九型はその中で最も大型の艦であり、潜水戦隊司令部設備や水上偵察機の搭載も含まれていました。

特にこの艦型の特徴は、通常よりも高出力のディーゼルエンジンを搭載しており、計画速度は水上で23.5ノットに達しました。航空艤装は前型と類似していましたが、艦の前方に設置されるように改良されています。

戦争での活躍

伊九型潜水艦は、計画通りに2隻の伊9、伊10と、さらに1隻の伊11が建造されました。当初は艦隊決戦を想定していたものの、太平洋戦争では潜水艦の集中運用は行われなかったため、各艦は単独で任務を遂行することになりました。大戦初期には、その長い航続距離を生かしてさまざまな偵察任務を随行し、特に伊10はインド洋での通商破壊戦に参加し、7隻の商船を沈める功績を残しました。

しかし、ガダルカナル島での戦闘以降は、輸送任務に従事する場合が多く、1943年には伊9が沈没し、1944年に残りの2隻も同様の運命を辿りました。特に伊10は撃沈隻数とトン数の双方で日本の潜水艦中トップの成績を誇っています。

計画変更とその後

1942年にはマル追計画に基づき、さらに2隻の建造が予定されましたが、戦局の影響で急造されたため出力は低い主機が搭載され、伊号第十二潜水艦が完成しました。残りの艦も同じく計画変更が行われ、特に伊号第十三潜水艦は搭載機に晴嵐が加えられました。このような計画変更は、各艦が持つ特性によって直面する戦況の変化を反映していました。

潜水隊と同型艦

伊九型潜水艦に属する3隻はいずれも潜水隊に正式に編入されていませんでしたが、各艦は特定の潜水戦隊に所属していました。特に伊11は、1944年に行方不明になり、その後の動向はわかっていません。

他の同型艦は、伊号第九潜水艦、伊号第十潜水艦、伊号第十一潜水艦があり、準同型艦として伊号第十二潜水艦および伊十三型潜水艦が存在しました。

結論

伊九型潜水艦は、戦局の変化に応じて様々な役割を担いながら、太平洋戦争における日本の海軍力の象徴となった存在です。その設計と戦歴は、当時の海軍の戦術や技術を反映しており、現在でも多くの研究者によって注目されています。

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