伊勢貞国

伊勢貞国（いせ さだくに）

伊勢貞国は、室町時代に室町幕府の政所執事を務めた人物です。諱は貞慶とも呼ばれます。父は伊勢貞行とされていますが、兄の伊勢貞経とする説もあります。母は信州木曾の出身で、貞国は兄である貞経の養嗣子となりました。子には貞親、貞藤、娘がおり、娘は伊勢盛定に嫁ぎました。また、外孫には北川殿（今川義忠室）や伊勢宗瑞（北条早雲）がいます。

生涯

永享3年（1431年）、兄の貞経が6代将軍・足利義教によって失脚させられた後、貞国が政所執事の職を継ぎました。永享6年（1434年）2月9日に義教の嫡男である義勝が誕生すると、3月3日には貞国の屋敷に義勝が移されました。

嘉吉元年（1441年）6月24日、嘉吉の変によって義教が殺害されると、26日に7代将軍となった義勝が室町殿に移るまで、貞国は義勝を預かりました。幼少の義勝に代わって政治を取り仕切った管領の細川持之を支持し、文安5年（1448年）には細川持常と共に、赤松則尚の復帰を8代将軍・足利義政に取り次ぐなど、幕府の政治にも深く関与しました。

貞国は宝徳元年（1449年）に政所執事を辞任し、享徳3年（1454年）5月27日に死去しました。



伊勢貞国は、室町幕府の動乱期において、政所執事として幕府の中枢で活躍しました。特に、将軍家の後継者である義勝の養育に深く関わったことは、その後の幕府の政治に大きな影響を与えたと考えられます。また、有力守護大名の復帰を支援するなど、政治的な手腕も高く評価されています。

参考文献

* 石田晴男『戦争の日本史9 応仁・文明の乱』吉川弘文館、2008年。

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