伊勢運輸区

伊勢運輸区の概要

伊勢運輸区は、三重県多気郡多気町の紀勢線多気駅構内に位置する、東海旅客鉄道（JR東海）の乗務員区所であり、運転士や車掌が所属しています。この区所名から、伊勢市に所在すると誤解されがちですが、実際には多気町にあります。

2016年3月31日には伊勢車両区が検修部門を廃止し、伊勢市駅の機能は留置線の保有のみに縮小されました。しかしながら、区所名はこれまでの経緯から変更されていません。特に、伊勢運輸区が設立される以前は、旧車両区の一部が「伊勢派出」として知られていました。

乗務範囲

伊勢運輸区に所属する運転士および車掌は、以下の路線での運行に従事しています：

• - 紀勢本線：亀山 - 新宮間
• - 参宮線：全線
• - 名松線：全線
• - 快速みえ：名古屋 - 鳥羽間
• - 特急南紀：名古屋 - 新宮間

特に、運転士は2010年3月まで、車掌は2013年3月まで特急南紀を担当し、紀伊勝浦まで運行していましたが、その後の運用変更により、新宮 - 紀伊勝浦間はJR西日本に引き継がれました。この運転士による会社境界を越えた運行は、当時全国的に見ても珍しいものでした。また、特急南紀や一部の普通列車は、途中の紀伊長島で乗務員が交代することもあります。

歴史

伊勢運輸区の歴史は、1990年にさかのぼります。3月には伊勢運転所の運転部門が伊勢市駅構内から多気駅構内に移転し、亀山運輸区から車掌行路の一部を受け継いで伊勢運輸区が設立されました。この時、検修部門は伊勢運輸区 伊勢派出所として機能し、運転士は紀伊長島派出所として位置づけられました。

1991年3月、紀伊長島派出所は紀伊長島駅に移管され、その後運転士が紀伊長島駅所属となりました。2001年4月には伊勢派出所が伊勢車両区として分離され、2012年には紀伊長島駅の運転士が廃止され、行路が伊勢運輸区に移されました。

さらに、2018年2月24日には、津市や津市観光協会と共同で名松線沿線の観光促進イベントが名古屋市の金山総合駅で開催されるなど、地域の観光振興にも注力しています。

まとめ

伊勢運輸区は、地域の鉄道運行を支える重要な役割を担っており、その歴史や運用について理解が深まることが、伊勢運輸区の活用や観光においてもプラスになるでしょう。今後もこの地域の交通の要所としての役割を果たしていくことが期待されています。

もう一度検索