伊号第三十四潜水艦

伊号第三十四潜水艦

伊号第三十四潜水艦（いごうだいさんじゅうよんせんすいかん）は、大日本帝国海軍の伊十五型[[潜水艦]]（巡潜乙型）の15番艦として建造されました。当初は伊号第四十三潜水艦と命名されていましたが、1941年11月1日に伊号第三十四潜水艦と改名されました。

艦歴

1939年の第四次海軍補充計画によって建造が承認され、1941年1月9日に佐世保海軍工廠で起工されました。同年9月24日に進水し、1942年8月31日に竣工しました。竣工と同時に呉鎮守府籍となり、伊35、特設潜水母艦満珠丸と共に訓練部隊である呉鎮守府呉潜水戦隊を編成しました。

初期の作戦行動

1942年11月15日に第五艦隊直卒となり、11月28日に呉を出港し、12月1日に大湊に到着しました。その後、補給物資を搭載してキスカ島へ輸送を行い、ニア諸島北方沖での哨戒任務に従事しました。1943年1月には、陸軍省軍務局課員を乗せてキスカ島やアッツ島へ寄港し、幌筵へ帰還しました。

アッツ島沖での戦闘

1943年4月1日に第六艦隊第1潜水戦隊第15潜水隊に編入されました。4月25日に横須賀を出港し、大湊を経由してキスカ島へ輸送物資を運びました。アッツ島の戦いでは、アメリカ軍の駆逐艦フェルプスから爆雷攻撃を受けましたが、幸いにも離脱に成功しました。その後もキスカ島撤退作戦に参加し、兵士や物資の輸送任務を行いました。

キスカ島撤退作戦

キスカ島撤退作戦では、9トンの弾薬と5トンの食糧を搭載して幌筵を出港し、キスカ島への輸送任務を遂行しました。しかし、作戦中止を受けて反転し、幌筵へ帰還しました。その後、アムチトカ島沖でアメリカ軍駆逐艦に発見され、爆雷攻撃を受けましたが、再び退避に成功しました。

ドイツへの輸送任務と沈没

1943年10月13日、伊34は第3次遣独潜水艦として呉を出港し、作戦中の暗号名は「モミ」でした。シンガポールに到着後、錫、タングステン、生ゴム、薬用アヘンを搭載しました。搭載された貨物によりトリムが安定せず出発が遅れました。11月11日早朝、乗客を乗せてシンガポールを出港し、ペナンに向かいました。しかし、11月13日にウルトラ情報により待ち伏せしていたイギリス潜水艦トーラスによって魚雷攻撃を受け、沈没しました。沈没後、一部の乗員が脱出して救助されましたが、艦長を含む84名が戦死しました。沈没地点は、マレー半島ムカヘッド灯台北西10浬付近です。

その後

1944年1月5日に除籍されました。伊34は、イギリス軍潜水艦に撃沈された最初の日本潜水艦となりました。戦後の1962年12月4日にシンガポールのサルベージ会社によって浮揚され、解体されました。

歴代艦長

艤装員長
殿塚謹三 中佐：1942年5月20日 - 1942年8月31日
艦長
殿塚謹三 中佐：1942年8月31日 - 1943年3月20日
入江達 中佐：1943年3月20日 - 1943年11月13日戦死

脚注

参考文献

雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第12巻 潜水艦』光人社、1990年。ISBN 4-7698-0462-8
外山操『艦長たちの軍艦史』光人社、2005年。ISBN 4-7698-1246-9
福井静夫『写真日本海軍全艦艇史』ベストセラーズ、1994年。ISBN 4-584-17054-1

関連項目

* 遣独潜水艦作戦

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