伊号第三百六十六潜水艦

伊号第三百六十六潜水艦（いごうだいさんびゃくろくじゅうろくせんすいかん）

伊号第三百六十六潜水艦は、大日本帝国海軍に属する潜水艦であり、伊三百六十一型潜水艦の6番艦となります。この艦は、回天攻撃隊の一員として活動し、戦後には海没処分されました。

艦歴

この艦は、1942年に改⑤計画の一環として、艦番号5466号艦として設計されました。1943年の8月26日、三菱重工業神戸造船所で起工され、1944年の3月29日に進水、同年の8月3日に竣工しました。横須賀鎮守府に配属され、その日のうちに第十一潜水戦隊に編入されました。1944年10月には第七潜水戦隊に転属しました。

艦は、1944年12月3日に横須賀を出発し、パガン島への輸送任務に従事しました。この航海中に、誤って安全潜航深度を超える89mまで沈下する事故が発生しましたが、12月14日に無事パガン島に物資を揚陸しました。揚陸した物は糧食と弾薬で、合計51トンでした。帰路では、サイパン島攻撃作戦に従事する部隊の49名の人員を輸送し、その途中で6名が死亡する事故が発生しました。

帰投後、艦内では様々な改良が施され、13号電探を搭載しました。また、艦内温度上昇を防ぐために白熱電球を蛍光灯へと交換されました。1945年1月29日（または1月30日）には再度横須賀を出発し、トラック、メレヨンへと向かいました。2月12日にトラックに到着し、医薬品や弾薬、彩雲の部品などを20トン揚陸しました。

続いてメレヨンへ向かい、42名を艦内に収容しましたが、出港後に名簿に記載されていない乗員が1名いることが発覚。しかし、若干の処分を行いながらもその問題は不問とされました。3月3日には横須賀に帰投しました。その後、回天搭載艦への改装が施され、艦は第十五潜水隊に編入されました。

1945年5月3日には「伊366潜」と「伊367潜」を中心に回天特別攻撃隊振武隊が編成されました。5月6日に「伊366潜」が光基地沖で潜航試験中、触雷事故に見舞われましたが、大きな被害はありませんでした。続く6月22日には呉海軍工廠で入渠中に空襲を受けましたが、この時も「伊366潜」自体には損害はありませんでした。

7月2日から3日の空襲では、陸上にいる乗員1名が亡くなるという悲劇がありました。「伊366潜」は回天特別攻撃隊多聞隊に加わり、8月1日に光基地を出撃しました。沖縄・ウルシー間に向かい、8月11日には北方500浬の地点で敵艦に対して回天3基を発進させましたが、アメリカ側の記録はありませんでした。戦局が落ち着き、8月18日に呉に帰投しました。

その後、1945年11月30日に艦は除籍され、1946年4月1日には五島沖で海没処分されました。

歴代艦長

• - 正田啓治 少佐：1944年8月3日 -
• - 時岡隆美 大尉：1945年1月5日 -

参考文献

• - 雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第12巻 潜水艦』光人社、1990年。
• - 外山操『艦長たちの軍艦史』光人社、2005年。
• - 福井静夫『写真日本海軍全艦艇史』ベストセラーズ、1994年。
• - 防衛庁防衛研修所戦史室『戦史叢書第98巻 潜水艦史』朝雲新聞社。
• - 吉野泰貴『輸送潜水艦伊号第361型列伝　命を繋いだ12隻の航跡』大日本絵画、2020年。

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