伊号第四十八潜水艦

伊号第四十八潜水艦について

伊号第四十八潜水艦（いごうだいよんじゅうはちせんすいかん）は、大日本帝国海軍が建造した潜水艦です。伊十六型潜水艦（巡潜丙型）の8番艦として、その歴史に名を刻んでいます。

艦歴

1941年（昭和16年）のマル急計画に基づき、佐世保海軍工廠で1943年（昭和18年）6月19日に起工しました。同年12月12日に進水し、12月22日には艦艇類別等級別表に加えられ、1944年（昭和19年）9月5日に竣工しました。竣工後は横須賀鎮守府籍となり、訓練部隊である第六艦隊第11潜水戦隊に編入されました。

1944年12月7日には、第15潜水隊に編入され、実戦部隊への配属となります。翌1945年には、大津島へ移動し、回天特別攻撃隊(金剛隊)の一員としてウルシー環礁へ向けて出撃しました。しかし、これが伊48の最後の航海となり、その後消息を絶ちました。

悲劇的な最期

アメリカ側の記録によると、1945年1月21日、ウルシー西方沖で哨戒中のアメリカ軍飛行艇が、浮上航走中の潜水艦を発見。この潜水艦が伊48であったと考えられています。

アメリカ軍は、潜水艦に対し応答を求めましたが、潜水艦は急速潜航を開始。そのため、哨戒機は爆雷と魚雷を投下しました。この通報を受け、アメリカ軍の護衛駆逐艦3隻が現場に急行。23日には、レーダーで潜水艦らしき反応を捉え、捜索を開始しました。その結果、潜水艦を捕捉し、対潜兵器ヘッジホッグによる攻撃を開始。攻撃を繰り返すうちに潜水艦を見失ってしまいますが、その後再度捕捉し、執拗な攻撃を行いました。

そして、ヘッジホッグの攻撃により、潜水艦は水中で大爆発を起こし、沈没。その爆発は激しく、近くにいたアメリカ軍駆逐艦の機関や舵が一時使用不能になるほどでした。海面には、大量の気泡や重油、潜水艦の破片、そして乗員のものと思われる遺体が浮かんできました。アメリカ軍は、現場から木の板や木片、コルク片、ニスが塗られた木製の内装品、手編みのセーターの袖、本、箸などを回収しました。

この戦闘で、伊48は艦長の当山全信少佐以下、回天搭乗員4名を含む乗員112名全員が戦死しました。沈没地点は、ウルシ―西方18浬地点付近、北緯09度55分 東経138度17分と記録されています。

伊48は、1945年1月21日に喪失が認定され、同年5月10日に除籍されました。

歴代艦長

艤装員長
当山全信 少佐：1944年6月10日 -
艦長
当山全信 少佐：1944年9月5日 - 1945年1月23日戦死

参考文献

雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第12巻 潜水艦』光人社、1990年。ISBN 4-7698-0462-8
雑誌「丸」編集部『ハンディ判 日本海軍艦艇写真集19巻』潜水艦伊号、光人社、1997年。
外山操『艦長たちの軍艦史』光人社、2005年。ISBN 4-7698-1246-9
福井静夫『写真日本海軍全艦艇史』ベストセラーズ、1994年。ISBN 4-584-17054-1
渡辺博史『海軍艦船要覧 艦艇・特務艦艇・特設艦船・その他』ブックショップマイタウン、2013年4月5日。ISBN 978-4-938341-86-2

関連項目

大日本帝国海軍艦艇一覧

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