伊号第四十四潜水艦

伊号第四十四潜水艦

伊号第四十四潜水艦（いごうだいよんじゅうよんせんすいかん）は、大日本帝国海軍の潜水艦です。艦艇類別等級別表においては伊十七型潜水艦の25番艦に分類されますが、実質的には伊四十型潜水艦（巡潜乙型改一）の5番艦として建造されました。1945年（昭和20年）には回天特別攻撃隊に参加し、沖縄周辺海域でその生涯を終えました。

艦歴

1941年 - マル急計画の第374号艦として建造が決定。
1942年6月11日 - 横須賀海軍工廠にて起工。
1943年3月5日 - 進水。
1944年1月31日 - 竣工し、横須賀鎮守府に所属。
4月28日 - 第15潜水隊に編入。
5月15日 - 呉を出港し、ニューアイルランド方面へ進出。
5月27日 - 航空機による爆撃と駆逐艦からの爆雷攻撃を受け損傷。呉海軍工廠で修理。
10月19日 - 呉を出港するも、事故のため引き返し、回天搭載工事に着手。
1945年2月21日 - 回天攻撃隊「千早隊」の一員として呉を出撃、硫黄島方面へ向かう。
4月3日 - 大津島発。
4月4日 - 回天攻撃隊「多多良隊」として呉を出撃、沖縄方面へ向かう。
4月18日 - 沖縄東方海面で、アメリカ海軍の空母「バターン」艦載機による爆撃と、駆逐艦「ヒーアマン」「ウールマン」「マーツ」「コレット」からの爆雷攻撃を受け沈没。回天搭乗員を含む乗員130名全員が戦死。
5月2日 - 沖縄方面での喪失が認定。
6月10日 - 除籍。

歴代艦長

※『艦長たちの軍艦史』(外山操著)414頁による。

艤装員長
横田稔 中佐：1944年1月20日 -
艦長
横田稔 中佐：1944年1月31日 -
川口源兵衛 大尉：1944年9月16日 - （終戦後、大陽酸素株式会社の設立に携わり、日本酸素ホールディングスへと繋がる）
増沢清司 少佐：1945年3月17日 - 4月18日戦死

特記事項

伊号第四十四潜水艦は、太平洋戦争末期に回天を搭載し、特攻作戦に参加した艦の一つです。その最期は、沖縄戦における激戦の中で、アメリカ軍の猛攻に屈する形となりました。この潜水艦と乗組員の悲劇は、戦争の残酷さを今に伝える歴史の一幕です。

参考文献

雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第12巻 潜水艦』光人社、1990年。ISBN 4-7698-0462-8
雑誌「丸」編集部『ハンディ判 日本海軍艦艇写真集19巻』潜水艦伊号、光人社、1997年。
外山操『艦長たちの軍艦史』光人社、2005年。ISBN 4-7698-1246-9
福井静夫『写真日本海軍全艦艇史』ベストセラーズ、1994年。ISBN 4-584-17054-1
渡辺博史『海軍艦船要覧 艦艇・特務艦艇・特設艦船・その他』ブックショップマイタウン、2013年4月5日。ISBN 978-4-938341-86-2。

関連項目

大日本帝国海軍艦艇一覧

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