伊号第百七十七潜水艦

伊号第百七十七潜水艦の概要と艦歴

伊号第百七十七潜水艦（いごうだいひゃくななじゅうななせんすいかん）は、大日本帝国海軍に所属していた潜水艦であり、伊百七十六型潜水艦の2番艦に該当します。この艦は1941年に起工され、進水が同年12月に行われ、1942年には竣工を迎えました。1943年5月、オーストラリアの東海岸で病院船を攻撃し、国際的な非難を浴びることとなった事件が特に有名です。

艦歴の詳細

伊号第百七十七潜水艦は1941年3月10日に川崎造船所で起工し、約1年9か月後の1942年12月28日に竣工しました。その後、日本海軍の第22潜水隊に編入され、1943年3月30日に呉を出港しました。艦は4月にトラック泊地に到着し、オーストラリア方面への通商破壊作戦に参加しました。

艦の最初の攻撃は、1943年4月26日にブリスベン近海で行われ、英貨物船リメリックを撃沈しました。5月2日にも輸送船団を攻撃し、さらに5月14日未明にはオーストラリアの病院船セントーを撃沈するという著名な事件を引き起こしました。この攻撃により、332名の乗客のうち268名が戦死しました。

この事件は、オーストラリア政府に大きな衝撃を与え、首相のジョン・カーティンから日本政府への抗議がなされる事態に発展しました。これにより、伊177は国際社会から非難を受けることとなりました。

5月23日にはトラック泊地に帰投し、6月14日には再度オーストラリア東方海域へ出撃しましたが、その後のニュージョージア諸島攻防戦により、交通破壊作戦が中断されました。艦はその後、ラバウルへと移動し、南東方面部隊に編入されました。

この時期、伊177はラエやフィンシュハーフェンなどへの補給作戦にも関与しました。1944年1月にはラバウルを出発し、しばらく行動を続けましたが、特に目立った戦果は上げられませんでした。3月22日には佐世保を出港し、北東方面へ向かいました。

最後の運命

1944年には捷号作戦に関与し、9月19日に呉から出港しましたが、消息不明となりました。10月3日にはアメリカ海軍の攻撃を受けて沈没し、全乗組員が戦死するという悲劇的な結末を迎えました。これにより、伊177は名実ともにその活動を終えました。

乗員と指揮官

艦長は中川肇中佐が1942年の竣工から1943年8月まで、続いて折田善次少佐が艦を指揮し、最終的には渡辺正樹大尉が指揮を執っていました。彼らは艦の運命に多大な影響を与えました。

総括

伊号第百七十七潜水艦は、その戦歴において数々の事件を引き起こし、日本の潜水艦活動が国際社会に与えた影響を如実に示す艦でもありました。その活動は戦争犯罪として考慮され、今なお歴史の中で問題視されています。

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