伊東祐充

伊東祐充（いとう すけみつ）

伊東祐充は、戦国時代の武将であり、日向国（現在の宮崎県）の戦国大名である日向伊東氏の9代目（伊東氏としては14代目）の当主です。伊東義祐と祐吉は同母の弟にあたります。

家督相続と初期の動向

父である伊東尹祐は、晩年に北郷氏との抗争に力を注ぎ、北原氏を味方に付けて優位を築きました。そして野々美谷城攻城戦で勝利を収めたものの、大永3年（1523年）に急逝しました。これにより、若年の祐充が家督を継ぐこととなりました。しかし、叔父の祐梁も尹祐の死から1ヶ月後に病死したため、外祖父である福永祐炳を始めとする外戚の福永氏が国政を掌握するようになりました。

この頃、伊東氏は日向南部を支配下に置いており、都之城を拠点とする北郷氏との間で度々戦いを繰り広げていました。北郷氏は本家の島津氏と同盟を結び、勢力の挽回を図りましたが、尹祐の時代に築き上げた伊東氏の優位は揺るぎませんでした。祐充は、野々美谷城の割譲と北郷忠相の娘を娶ることを条件に、北郷氏との和睦を結びました。さらに、大永8年/享禄元年（1528年）には新納氏を攻撃するなど、積極的な勢力拡大を図りました。

勢力拡大と内紛

祐充の時代、伊東氏は大きな勢力を誇りましたが、その一方で家中は不安定でした。福永氏による専横に対して、家臣の稲津重由が「若キ衆」と呼ばれるグループを率いて内紛を起こしました。このような状況の中、享禄4年（1531年）には北郷氏が島津氏と北原氏を味方に付け、伊東氏との戦いを再開しました。三俣院高城での合戦では伊東氏が大敗を喫することとなりました。

突然の死とその後

祐充は、天文2年（1533年）に病死しました。その死後、福永氏の専横を憎んでいた祐充の叔父・伊東祐武が反乱を起こしました。この反乱（伊東武州の乱）によって、福永祐炳ら福永一族4人が自害に追い込まれることとなりました。

伊東祐充は、若くして家督を継ぎ、伊東氏の勢力を拡大させた一方で、内紛や周辺勢力との戦いに翻弄された生涯でした。彼の死後も、伊東氏は混乱の時代を迎えることになります。

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