伊百六十五型潜水艦

伊百六十五型潜水艦

伊百六十五型潜水艦（いひゃくろくじゅうごがたせんすいかん）、またの名を海大V型は、大日本帝国海軍が運用した潜水艦の艦級です。本艦級は、同型艦が3隻存在し、そのうち1隻は不運にも事故により沈没し、残りの2隻が太平洋戦争において戦没しました。

概要

1927年度の予算に基づき、3隻が建造され、1932年に完成しました。この艦級は計画番号S29を持ち、前級である海大4型の改良版ですが、船体の形状は大幅には変更されず、推進効率を改善した船型が採用されています。主機関には前モデルと同じくズルツァー式ディーゼルを搭載しており、水上での速力は0.5ノット増加しました。

兵装については、以前のモデルから大幅な変更が行われており、主砲として10cmの高角砲が搭載されています。これは水上目標や対空防御の両方を意図したものでした。また、機銃も12mmに強化され、水中聴音機にはアメリカから輸入したMV式の機器が装備されています。魚雷兵装には変更がないものの、無気泡発射管が新たに搭載されています。

戦歴

この艦級の一隻、伊67は、訓練中に急速潜航に失敗して沈んでしまいます。残された2隻は太平洋戦争で通商破壊に従事し、オランダの潜水艦K XVIを撃沈しました。伊166は1944年に戦没し、さらに伊165は1945年に回天攻撃隊の一員として出撃し撃沈されました。伊165は商船8隻を沈めた実績があり、同じく8隻を撃沈した伊20と並んで、日本の潜水艦の中で5位にランクインしています。

同型艦

艦名の変更は1942年に行われ、艦番に100を加える形で改称されました。具体的には以下の艦が該当します。

• - 伊号第百六十五潜水艦：1932年12月1日竣工、1945年6月27日にマリアナ沖で沈没。
• - 伊号第百六十六潜水艦：1932年11月10日竣工、1944年7月17日にマラッカ海峡で沈没。
• - 伊号第六十七潜水艦：1932年8月8日竣工、1940年8月29日に訓練中の事故で沈没。

潜水隊の変遷

伊165型は3隻からなるため、1個潜水隊を編成し、これらの艦は佐世保鎮守府に配備されていました。第30潜水隊として固有番号が付与されました。

第三十潜水隊

この部隊は昭和7年11月に伊67と伊66で編成され、後に竣工した伊65も加わります。伊67は1940年に事故で失われ、残った2隻は太平洋戦争に参加し、マレー作戦やミッドウェー海戦に従事しましたが、1943年3月に解隊されました。

以降の指揮官や配備の変遷もあり、特に昭和15年には連合艦隊に編成が移り、戦局に応じた運用が行われました。最終的には、伊166が1944年に戦没し、残った艦も戦いを経てそれぞれの運命を辿りました。これにより、伊百六十五型潜水艦は帝国海軍の中で確固たる存在感を示し、戦史に名を刻むこととなりました。

参考文献

• - 雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第12巻 潜水艦』光人社、1990年。
• - 勝目純也『日本海軍の潜水艦 - その系譜と戦歴全記録』大日本絵画、2010年。
• - 外山操『艦長たちの軍艦史』光人社、2005年。

伊百六十五型潜水艦は、その設計や運用の面でも多くの興味を引く存在であり、昭和の海軍史において重要な役割を果たしました。

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