伊百六十八型潜水艦

伊百六十八型潜水艦

伊百六十八型潜水艦は、大日本帝国海軍の潜水艦の一群であり、ロンドン軍縮会議の影響を受けて設計された艦級です。この潜水艦群は、正式には海大VI型aと呼ばれ、合計6隻が建造されました。これらの艦は1932年から1937年の間に進水し、特に第二次世界大戦中に重要な役割を果たしました。

概要

伊百六十八型潜水艦は、ロンドン軍縮会議後の1930年度計画に基づき建造されました。この艦級は、基準排水量が1,400トンに制限されたため、コンパクトでありながら有効な性能を持つことが求められました。主機には艦本式ディーゼルエンジンが導入され、出力が従来の設計から約1.5倍に向上しました。そこにより、23ノットの速力を達成することが可能となりました。

しかし、就役当初からこのエンジンには多くの初期トラブルが発生しましたが、1938年ごろには問題は解決されました。また、燃料搭載量が約100トン増加した結果、航続力は前の艦型よりも大きな向上が見られました。武装に関しては、伊168、169、170型の3隻には10cm高角砲が搭載されていますが、伊171、172、173型の3隻には12cm単装砲が装備され、他の兵装は従来型とほぼ同様でした。

戦歴

太平洋戦争の開戦時、全ての艦が就役しており、6隻はハワイ攻略作戦に参加しましたが、開戦から間もなく伊70が沈没しました。その後、伊168は特に活躍し、米空母「ヨークタウン」を撃沈するなど数々の戦果を上げました。しかし、技術的な問題や戦闘によって、事故で沈没した艦を含む残りの艦も全て戦没しました。

同型艦は1942年に改名され、艦番号に100を加える形で再編成されました。伊号第六十八潜水艦が伊号第百六十八潜水艦へ、伊号第六十九潜水艦が伊号第百六十九潜水艦へと名称が変更される等の手続きが行われました。

同型艦の戦歴

• - 伊号第百六十八潜水艦: 1934年竣工。1943年に米潜水艦「スキャンプ」の攻撃を受け沈没。
• - 伊号第百六十九潜水艦: 1935年竣工。1944年にトラック諸島で事故沈没。
• - 伊号第七十潜水艦: 1935年竣工。1941年にハワイ沖で攻撃を受け沈没。
• - 伊号第百七十一潜水艦: 1935年竣工。1944年にブカ島で沈没。
• - 伊号第百七十二潜水艦: 1937年竣工。1942年にサンクリストバル島で沈没。
• - 伊号第七十三潜水艦: 1937年竣工。1942年にミッドウェー島周辺で戦没。

潜水隊の編成

伊百六十八型潜水艦は6隻から成り、呉鎮守府に配備されていました。これに基づいて2つの潜水隊が編成されました。

第十二潜水隊

この潜水隊は、最初に伊68、伊69、伊70で編成され、太平洋戦争では輸送や哨戒任務を担当しましたが、全艦の戦没により1944年に解隊されました。

第二十潜水隊

伊71、伊72、伊73で編成されたこの潜水隊は、ハワイ周辺で哨戒任務を担当しましたが、伊73の戦没により解隊となりました。

結論

伊百六十八型潜水艦は大日本帝国海軍の潜水艦部隊において重要な役割を果たしました。その戦果や艦隊の編成は、日本海軍の潜水艦戦略の一端を示すものであり、今後も多くの歴史的評価が待たれています。

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