伊美別宮社

伊美別宮社（いみべつぐうしゃ）

伊美別宮社は、大分県国東市国見町伊美に位置する、由緒ある神社です。かつては県社として格式を誇りました。この神社は、応神天皇、仲哀天皇、神功皇后を祭神として祀っています。

歴史

社伝によれば、仁和2年（886年）に、当時の領主であった片見貞信が、石清水八幡宮の分霊を勧請し、創建したとされています。この際、京都から分霊を運ぶ船が、途中で嵐に遭遇し、山口県熊毛郡上関町の祝島に漂着したと伝えられています（風待ちのため立ち寄ったという説もあります）。当時、祝島にはわずか3軒の民家しかなかったものの、島の人々は一行を手厚くもてなしました。その返礼として、一行は五穀の種などを島民に贈り、島の生活が豊かになったと言われています。この出来事が、現代まで続く伊美別宮社と祝島との深い繋がりを生み出しています。

境内

境内にそびえ立つ国東塔は、国東半島で最大規模を誇り、国東塔としては2番目に古いとされています。この塔は、大分県の有形文化財に指定されており、その歴史的価値は高く評価されています。

祭事

現在でも、毎年「お種戻し」という神事が行われ、祝島から参拝者が訪れます。また、4年に一度（閏年）、祝島で伊美別宮社の神体を迎え、盛大な大祭が執り行われます。この神事は、山口県では「祝島の神舞神事」として県の無形民俗文化財に指定され、大分県では「別宮社神舞行事」として県の選択無形民俗文化財に選択されています。この祭りは、両地域にとって非常に重要な文化的行事となっています。

さらに、毎年10月15日には例大祭が開催され、流鏑馬が奉納されます。文献によると、平安時代には競馬が行われていたとされていますが、その後流鏑馬へと変化したと考えられています。宝永2年（1705年）には、流鏑馬神事が恒例の行事として定着していた記録が残っています。流鏑馬とその前夜に舞われる神楽は、「別宮社流鏑馬」および「別宮社神楽」として、それぞれ大分県の選択無形民俗文化財に選択されています。これらの祭事は、地域の歴史と文化を今に伝える貴重な遺産です。

現地情報

所在地: 大分県国東市国見町伊美2710番地

交通アクセス: 大分空港から車で約45分

外部リンク

伊美別宮社 - ツーリズムおおいた
伊美別宮社 - 国東市観光協会
* 祝島神舞 - 祝島神舞奉賛会

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