伊藤泰憲

伊藤 泰憲（いとう やすのり）

伊藤泰憲は1952年9月25日に三重県久居市で生まれた元プロ野球選手である。ポジションは内野手および外野手で、右投げ右打ちとして知られている。彼の野球人生は高校時代からスタートし、三重高校に在籍中に甲子園出場を果たした。特に1970年の春の甲子園大会では、左翼手として大会第1号の本塁打を放つという記録を達成し、その実力を証明した。高校同期に宮本四郎、1年下には水谷新太郎がいる。

高校卒業後、伊藤は1970年にドラフトの5位指名を受けて中日ドラゴンズに入団した。入団から少しずつチームに貢献していく中で、1972年には三沢淳と共にジュニアオールスターにも選ばれ、その際に本塁打を記録。同じく1974年にはウエスタン・リーグで本塁打王と打点王の二冠に輝くなど、長距離打者としての期待が高まった。

それでも、プロ入り当初は二軍での生活が長く、なかなか一軍に上がることができなかった。しかし、徐々に力をつけ、1976年には73試合に出場するようになる。特に右の代打としての役割を任され、次第にチームの重要な戦力として貢献するようになった。1978年には一塁手と外野手として41試合に先発出場し、その中でも5試合には五番打者として起用された。

1979年のシーズンでは、打率.284という好記録を残し、チームにとっては非常に価値のある選手となっていた。しかし、1980年には主に三塁手として起用されるものの、打撃成績が低迷。その結果、同年オフには自由契約となり、南海ホークスに移籍することになるが、ここではあまり活躍できず、1981年をもって現役引退を決意した。

引退後の伊藤は、名古屋市昭和区御器所にて「スポーツ35」というスポーツ店を経営するようになった。ビジネス活動に従事しながらも、少年野球チーム「東名古屋スターズ」の監督を務め、次世代の選手育成にも力を入れている。また、現役時代に築いた経験を生かし、若い選手たちに野球の楽しさや厳しさを伝えている。彼の人生は野球から商売まで多岐にわたり、地域社会にも貢献し続けている。

プロ野球での成績

伊藤の初出場は1973年5月29日で、対広島東洋カープ戦に三塁手として途中出場した。その後、1973年9月23日には初打席に立ち、対大洋ホエールズ戦で代打として出場したが、結果は凡退だった。彼の初先発出場は1973年10月24日の大洋ホエールズ戦で、5番打者として出場し4打数2安打を記録した。そして、1976年6月2日には初本塁打もマークし、これが彼のプロ野球人生における重要なポイントとなった。

背番号は、1971年から1980年は35、1981年には50をつけてプレーした。伊藤のプロ野球人生は成功と挫折の両方を経験し、その後の人生においても多くの人に影響を与え続けている。

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