伊豆ベロドローム

伊豆ベロドロームについて

伊豆ベロドロームは、静岡県伊豆市（旧修善寺町）に位置する自転車競技専用施設であり、サイクルサッカーのコートも備えています。この施設は、日本サイクルスポーツセンター（CSC）内に構えられ、道路を挟み別施設として運営されています。

名前の由来

「ベロドローム」という名前は、フランス語に由来し、ここでの「ベロ」は自転車を、そして「ドローム」は競技場を意味します。日本におけるこの施設の最大の特徴は、走路が木製である点です。実際、日本では1949年から1965年まで使用された西宮競輪場と、1956年に試作された晴海ボードトラック以来、木製走路の自転車競技場はこれで3例目であり、従来、常設かつ室内で稼働する木製走路の競技場としては日本初となります。

競技場の設計と特徴

伊豆ベロドロームの設計は、2008年の北京オリンピックでもトラックレースの会場を手掛けたドイツ人のラルフ・シューマンによって行われました。施設の基本的な構造は以下の通りです。

• - 周長: 250m
• - 最大傾斜角度: 45度
• - 幅員: 7.5m
• - 材質: シベリア松
• - 最大収容人数: 4500人（常設1800席、仮設1200席）
• - 建物の寸法: 長軸119m、短軸93m、高さ27m

このような木製走路は、2000年以降のシドニー五輪を契機に、国際大会のトラックレースで一般的に採用されているため、当施設のオープンは自転車競技の強化にも寄与するものとされてきました。

トレーニング拠点としての役割

伊豆ベロドロームは、トラックレースをはじめ、ロードレース、マウンテンバイクレース、BMXなど、多岐にわたる自転車競技の訓練拠点として利用されています。ここは主に、日本自転車競技連盟から短距離エリート強化指定選手として認定された競輪選手たちの練習場に設定されており、さらに隣接する養成所の候補生たちも記録会などで活用することがあります。

2019年には、養成所内にも250mの木製走路が整備され、さらにトレーニングの場としての役割が強化されました。ここはナショナルチームの選手たちの練習場所としても利用される予定です。

競技会場としての利用

これまでの大会としては、2020年東京オリンピックで自転車競技のトラックレースが行われるなど、重要な競技場としての機能を果たしてきました。東京から離れた場所にあることから新たな施設を建造するよりも経済的な理由から選ばれ、国際自転車競技連合（UCI）からの承認も得ることができました。なお、東京オリンピックはCOVID-19の影響で無観客開催が基本とされた一方、伊豆ベロドロームは大会中唯一の有観客の屋内競技場となりました。2020年の東京パラリンピックでも自転車競技が行われましたが、こちらは無観客でした。

恒例のレース

毎年開催される競技大会としては、JOCジュニアオリンピックカップ自転車競技大会（8月）、全日本自転車競技選手権大会オムニアム（11月）、全日本選手権自転車競技大会マスターズ（11月）などがあります。

観戦の注意事項

観客席は幅員7.5mしかなく、走路に非常に近い位置に設けられています。これにより、迫力のある観戦が可能ですが、観客の安全のために注意が必要です。特に最前列では、走路内に物を落とさないように常に手ぶらでの観戦が肝心です。これらの注意は大会でも繰り返しアナウンスされており、安全第一で観戦するように心掛ける必要があります。

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