伊達康夫

伊達康夫八段：将棋界に貢献した棋士の生涯

伊達康夫（だて やすお）は、1936年7月22日生まれ、2003年1月6日没の将棋棋士です。棋士番号78、八段の称号を持ち、岡崎史明八段門下として将棋界で活躍しました。大阪府大阪市出身で、1959年、予備クラスで優勝を果たし、四段に昇段してプロ入りを果たしました。

順位戦と棋士生活

プロ入り後、伊達八段は順位戦で着実に実力をつけました。特に、第24期順位戦C級2組では、3勝3敗からの6連勝という驚異的な粘りを見せ、9勝3敗で2位という好成績を収め、C級1組への昇級を果たしました。これは、プロ入りから11年という歳月をかけた努力の結晶でした。
しかし、その後の昇級は容易ではありませんでした。第36期C級1組順位戦では、最終局で真部一男氏との直接対決に臨みました。この対決は、勝者のみがB級2組に昇級できる重要な一局でした。惜しくも敗れ、B級2組昇級の夢は叶いませんでしたが、彼の粘り強い棋風と実力は、将棋界に大きな足跡を残しました。その後、順位戦での昇級はありませんでしたが、彼の棋力と経験は、後進の育成にも大きく貢献しました。

棋風と人物像

伊達八段の棋風は、居飛車党として知られていました。振り飛車も指しましたが、相掛かり系、矢倉、対振り飛車急戦を得意とし、軽快な攻めが特徴的でした。一方で、不利な局面になると、早々に投了することが多かったと伝えられています。

将棋界への貢献も著しく、1981年から日本将棋連盟理事に就任。1989年の現役引退後も、1992年まで常務理事、1993年からは理事会参与として、将棋連盟の運営に尽力しました。神吉宏充氏によると、対局中に「えっ、えっ。」と発する癖があったそうです。弟子には伊藤博文氏がいます。

昇段履歴と主な成績

伊達八段の昇段履歴は次のとおりです。

1951年：8級
1959年：四段（プロ入り）
1970年：五段（順位戦C級1組昇級）
1973年：六段（贈六段）
1986年：七段（勝数規定）
1989年：引退
* 2003年：八段（追贈）

また、現役勤続25年表彰（1983年）を受賞しています。

まとめ

伊達康夫八段は、地道な努力と粘り強い棋風で将棋界に貢献した棋士でした。順位戦での苦闘、軽快な攻め、そして将棋連盟への貢献など、彼の棋士人生は多くの将棋ファンに記憶されています。2003年の逝去後も、追贈された八段の称号は、彼の功績を後世に伝えるものとなっています。彼の棋譜やエピソードは、これからも将棋史に刻まれ続けるでしょう。

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