伊達政道

伊達政道（だて まさみち）

生涯

伊達政道は、安土桃山時代の武将であり、伊達輝宗の次男として永禄11年（1568年）頃に誕生しました。幼名は竺丸（じくまる）、通称として小次郎（こじろう）の名で知られています。母は最上義守の娘・義姫であり、伊達政宗とは同母兄弟にあたります。祖父の伊達晴宗は蘆名盛高の外孫であるため、政道は蘆名盛高の玄孫にあたります。

巷談では、母の義姫は兄の政宗よりも弟の小次郎を寵愛し、それが原因で伊達氏内部で家督争いが起こったとされています。しかし、父の輝宗は天正12年（1584年）には政宗に家督を譲っており、家督争いの事実は確認されていません。歴史学者の小林清治は、政宗の家督継承と蘆名盛隆暗殺事件が同じ月に起こったこと、輝宗が蘆名盛氏に次男を奉公させる相談をしていたこと、政宗が豊臣政権に対し、蘆名氏討伐の理由として「父の輝宗が蘆名家より弟を当主にする約束をされていたのに、佐竹氏から養子を迎えた」と主張した記録があることに着目しました。小林氏は、蘆名盛隆暗殺直後に小次郎を蘆名氏の当主に迎え入れる話が持ち上がったものの、佐竹氏の妨害によって実現しなかったことが、伊達氏の当主交代の一因になったと主張しています。

天正15年（1587年）、再び蘆名氏の後継者問題が起こると、小次郎が蘆名氏の当主として推薦されました。しかし、蘆名氏の執権である金上盛備の策略により、佐竹義重の子である蘆名義広が当主となりました。同年7月14日には、小次郎は兄の政宗と共に、夏刈の資福寺に父の御廟を参詣し、米沢城に帰城後は母の住む御東を訪れています。

天正18年（1590年）、小次郎は急死しました。兄弟対立の末に政宗によって殺害されたという説が広く知られていますが、これは江戸時代の書物『治家記録』に基づいた後世の創作である可能性が指摘されています。政宗が小田原征伐に参陣する際、母の義姫と政道（小次郎）によって毒殺されかけたため、政宗が政道を殺害した、または義姫が毒殺未遂の責任を取り自害した、などの諸説がありますが、いずれも確たる史料はなく、政道の死因は謎のままです。創作文芸では、天正18年誅殺説が広く採用されています。天正18年に亡くなったとするならば、享年は13歳、17歳、23歳のいずれかとなります。

勘当と法要

政道は、政宗によって7代にわたる勘当を言い渡されていましたが、寛政5年（1793年）に政宗から数えて8代目の当主である伊達斉村の就任によって勘当が解かれ、死後203年目にして法要が営まれました。

登場する作品

『独眼竜政宗』（1987年NHK大河ドラマ、演：岡本健一（少年時代：山ノ井隆信））
『政宗ダテニクル』（声：山口立花子）2016年のアニメ作品および2021年の劇場アニメ作品。福島県伊達市のご当地アニメとしてガイナが制作。

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