蘆名義広

蘆名義広の生涯

蘆名義広（あしな よしひろ）は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将であり、大名です。蘆名氏の第20代当主として知られています。

出生と養子入り

天正3年（1575年）、義広は佐竹義重の次男として生まれました。母は伊達晴宗の娘・宝寿院であり、蘆名盛高の外玄孫にあたります。天正7年（1579年）には、白河義親の養子となります。

蘆名氏の混乱と後継者争い

当時の蘆名氏は、当主の蘆名盛隆が家臣に暗殺されるという事件により、混乱状態にありました。隣国の伊達氏では、伊達政宗が外交方針を転換し、蘆名氏と対立する姿勢を強めていました。蘆名氏の家臣団は、後継者を巡って伊達派と佐竹派に分裂。最終的に、金上盛備の働きによって佐竹派の義広が当主となりました。天正15年（1587年）、義広は盛隆の養女と結婚し、正式に蘆名氏の当主となります。

しかし、他家からの養子であることや、若年であったことから、家臣団をまとめきることができませんでした。佐竹氏から派遣された家臣団が蘆名氏を支配し、伊達派の重臣を次々と失脚させたため、蘆名氏と伊達氏の関係は決定的となります。

蘆名氏の滅亡

天正15年（1587年）、豊臣秀吉の支援を受けた上杉景勝が新発田重家を攻めると、蘆名氏は新発田氏の救援に失敗。天正16年（1588年）には、伊達氏との郡山合戦で敗北します。天正17年（1589年）には、伊達政宗との摺上原の戦いで大敗を喫し、蘆名氏は滅亡しました。義広は本拠地を放棄し、佐竹氏の領国へと逃れました。

佐竹氏の与力として

蘆名氏の滅亡後、豊臣秀吉によって蘆名領は没収され、蒲生氏郷に与えられます。その後、義広は秀吉から佐竹氏の与力として、常陸に4万石、次いで江戸崎に4万5,000石を与えられ、大名としての蘆名氏は再興を果たしました。この頃、名を盛重と改めたとされています。しかし、慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いで兄の佐竹義宣が西軍に与したため、義広も所領を没収されてしまいます。

角館へ

慶長7年（1602年）、義広は義重・義宣とともに秋田領に移り、名を義勝と改め、仙北郡角館に1万6,000石を与えられました。義勝は角館の町づくりに力を注ぎ、城下町を移転・整備しました。道路の幅員を広げ、下水を整備し、火災対策を施した、武家地、町人地、寺社を配置しました。また、菩提寺として天寧寺を創建しました。

死去

寛永8年（1631年）、義勝は病死しました。享年57歳でした。

蘆名義広の人物像

義広は、佐竹氏の出身でありながら、蘆名氏の当主となった人物です。しかし、家臣団をまとめきることができず、伊達氏との戦いに敗れて所領を失いました。その後、佐竹氏の与力として復帰し、角館の基礎を築きました。義広は、その波乱に満ちた生涯から、多くの人々に関心を持たれています。

蘆名義広の関連人物

佐竹義重（父）
伊達晴宗（外祖父）
蘆名盛隆（養父）
伊達政宗（対立関係）
上杉景勝（対立関係）
金上盛備（重臣）
* 佐竹義宣（兄）

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