伊達橋

伊達橋の詳細

伊達橋（だてはし）は、福島県伊達市の阿武隈川に位置する全長288メートルのトラス橋です。一般国道399号に属し、その構造と歴史的背景から地域に重要な役割を果たしています。現在、伊達橋は車道橋と歩道橋の2本が併設されており、これらの橋はそれぞれ異なる時代に建設されました。

橋の概要

伊達橋の車道部分は、1966年に完成したワーレントラス橋で、現在で3代目にあたります。2022年の福島県沖地震で大きな損傷を受け、通行止めが宣言されており、今後の工事計画が進んでいます。一方、歩道橋は1921年に竣工したもので、旧伊達橋とも呼ばれ、近代土木遺産B群に指定されています。この歩道橋は、旧来運行されていた鉄道と併用のため、後に改修され歩行者専用として活用されています。

歴史的な背景

伊達橋の歴史は古く、1904年に初代となる「伊達中央橋」が開通したのが始まりです。この橋は当初、阿武隈川東岸に住む住民の交通を便利にするために木製で建設され、間もなく鉄道も通るようになりました。しかし、1913年の大水により初代橋は流出。これに伴い、当時の住民は新たに鉄製の橋梁を求め、長期間の交渉の末に1921年には2代目の伊達橋が竣工しました。南北間の木製橋が流失したことを受けて、伊達郡議会は新たな鉄橋を選定しました。

1930年代には鉄道が復旧し、伊達橋は物流のハブとしての役割を担うようになりました。1967年には現在の車道橋が完成し、その後何度かの改修を経て、現在も多くの車両が通行しています。

構造と設計

車道橋

• - 形式: 鋼4径間連続下路ワーレントラス橋
• - 橋長: 288.000メートル
• - 支間割: 4×71.680メートル
• - 幅員: 総幅員7.600メートル、有効幅員7.000メートル
• - 基礎: ニューマチックケーソン
• - 施工: 宮地鉄工所

歩道橋

• - 形式: 複合型トラス橋および単純鈑桁橋
• - 橋長: 263.31メートル
• - 幅員: 総幅員2.5メートル

このように、伊達橋はそれぞれ異なる形式と設計を持つ2つの橋から成り立っています。歩道橋は6つの連続トラスと鈑桁で構成され、時代の変遷を感じさせる貴重な遺産となっています。

最近の状況

2022年の福島県沖地震により、車道橋は大きな損傷を受け、通行止めとなりました。その後の調査で、上部工や橋脚に大きなクラックが発見され、補修工事の必要性が認識されました。2023年10月には仮橋が開通する計画であり、この間に新しい橋の架設も行われる予定です。

現在も伊達橋は地域の交通の要所であり、将来的には新たな姿で復活することが期待されています。地元住民や訪れる人々にとって、伊達橋は歴史と交通の架け橋として、重要な存在であり続けています。

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