伍習

伍 習（ご しゅう）

伍習は、中国の後漢末期に活躍した武将で、その生没年は不詳ですが、歴史上の重要な人物の一人とされています。彼は郭汜の部下として活動し、その命令の下で様々な軍事行動を行いました。

略歴と主要な事績

興平2年（195年）、当時の皇帝である献帝は傀儡の状態にあり、李傕と郭汜がその権力を巡って激しい争いを繰り広げていました。そうした混乱の中、伍習は郭汜の命令によって、献帝を脅迫するための作戦を実行に移しました。同年の10月1日、彼は献帝が宿泊していた学舎に対して放火するという行動に出ました。これは献帝に恐怖を与え、郭汜側への支持を得るためのものでした。

しかし、彼の行動はすぐに反発を招き、楊定や楊奉といった別の武将たちの反撃を受けることになります。この攻撃によって、郭汜の軍隊は大きな損失を被り、伍習の計画は失敗に終わりました。さらに、献帝自身も逃げ延びることとなり、その結果として郭汜の権力も急速に衰退していくことになります。

その後、郭汜は建安2年（197年）に郿で伍習の裏切りによって命を落とすことになるのですが、これは伍習にとっても暗い結末を意味しました。彼の裏切りは郭汜の軍事的な敗北に直結し、その影響は大きかったと言えるでしょう。

文学作品における伍習

伍習の事績は、後に羅貫中による小説『三国志演義』にも描かれています。この作品では、彼の行動も重要な要素として含まれており、第17回において彼が扱われています。物語の中で、伍習は郭汜を殺害した後、その首を献上したことで曹操から「殄虞将軍」に任じられる功績を達成します。その後、彼は李傕を殺害した段煨と共に長安の防衛任務を任されることになります。

このように、伍習は彼自身の野望や忠誠心が複雑に絡み合った人生を送った武将であり、彼の行動や結果は後の歴史や文学の中にしっかりと刻まれています。彼の物語は、当時の混乱した政治状況や武将たちの運命を象徴するものとして、今も読み継がれているのです。

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