休みの国/岡林信康リサイタル
『休みの国 / 岡林信康リサイタル』は、アングラ・レコード・クラブ（URC）が1969年6月に、会員向け頒布作品の第3回としてリリースした特別なLPレコードです。この作品は、休みの国によるアルバム『休みの国』と、岡林信康のライブ音源『岡林信康リサイタル』を、1枚のLPレコードのA面とB面にそれぞれ収録したカップリング盤として構成されています。
A面に収められた休みの国の楽曲は、ボーカルの高橋照幸を中心に、後期ジャックスのメンバーから木田高介、谷野ひとし、角田ひろが参加して制作されました。特に木田高介のアレンジと演奏は、当時のURCが持つアンダーグラウンドなイメージとは一線を画す、実験的かつポップな才気に溢れています。このA面には、バンドの代表曲「追放の歌」などが含まれており、これらの楽曲は後にシングルカットされるなど、そのクオリティの高さが広く認められました。収録曲は以下の通りです。
一方、B面には、1969年3月29日に東京・神田共立講堂で開催された「あんぐら音楽祭」内での「岡林信康リサイタル」の模様が記録されています。この音源は、現在確認されている岡林信康のライブ録音としては最も古いものとされており、その歴史的な価値は非常に高いです。演奏は基本的にアコースティックギターによる弾き語りスタイルで、中川イサトと長野隆がサポートミュージシャンとして参加しています。
このURC盤に収録された音源のうち、「アメリカちゃん」と「We Shall Overcome〜友よ」の一部楽曲は、長らく他の媒体では聴くことのできない希少な音源でした（2008年にCD化）。これらの演奏からは、当時の岡林と、彼が師事していた高石友也との間の深い関係性や、時代背景を映し出す緊迫した空気感が伝わってきます。
なお、この公演には加藤和彦、西岡たかし、高田渡らも出演していましたが、残念ながらURC盤に彼らの演奏は収録されていません（高田渡の「自衛隊に入ろう」は後の別バージョンに収録）。B面の収録曲は以下の通りです。
※時間は演奏時間のみ／MC込みの全体の時間
このURC盤の制作には、レコーディング・ディレクターとして宮川一郎、アート・ディレクターとして廣野勝が携わりました。
岡林信康のリサイタル音源は、後に何度か異なる形でリリースされています。
まず1979年には、『幻のフォークライブ傑作集 岡林信康ファースト・コンサート ”MOVEMENT”』と題された2枚組LPが登場しました。この盤は、URC盤『岡林信康リサイタル』の音源を基にしながらも、大幅に収録曲が追加され、公演の全容に近い形で再構成されています。特に高田渡による「自衛隊に入ろう」が初めて収録された点で注目されます。一方で、URC盤に収録されていた「アメリカちゃん」と「We Shall Overcome〜友よ」は、この盤では未収録となりました。
次に登場したバージョンが、『あんぐら音楽祭 岡林信康リサイタル』です。この盤は、先の『幻のフォークライブ傑作集...』から、高田渡の「自衛隊に入ろう」がカットされ、代わりにそれまで未収録だった「アメリカちゃん」と「We Shall Overcome〜友よ」が復活収録されました。これにより、オリジナルのリサイタル公演のセットリストにさらに近い形となっています。
この『あんぐら音楽祭 岡林信康リサイタル』盤は、全曲デジタル・リマスタリングが施され、音質が向上しています。また、ジャケットには、公演のためにアート・ディレクターの廣野勝が当時制作したポスターが使用されており、資料的な価値も高い作品です。
ライブ音源の発売を重ねるごとに収録曲の変遷が見られ、それぞれ異なる時代のリスナーに貴重な記録を届ける役割を果たしています。
休みの国『休みの国』
A面に収められた休みの国の楽曲は、ボーカルの高橋照幸を中心に、後期ジャックスのメンバーから木田高介、谷野ひとし、角田ひろが参加して制作されました。特に木田高介のアレンジと演奏は、当時のURCが持つアンダーグラウンドなイメージとは一線を画す、実験的かつポップな才気に溢れています。このA面には、バンドの代表曲「追放の歌」などが含まれており、これらの楽曲は後にシングルカットされるなど、そのクオリティの高さが広く認められました。収録曲は以下の通りです。
- - 第5氷河期 – (2:13)
- - Union strip – (1:47)
- - 悪魔巣取金愚 – (2:40)
- - 旅するおばさん – (2:20)
- - 鳥葬の唄 – (3:04)
- - 楽しいさすらい人 – (1:26)
- - Let's Drop Dead – (2:30)
- - 追放の歌 – (2:42)
岡林信康『岡林信康リサイタル』
一方、B面には、1969年3月29日に東京・神田共立講堂で開催された「あんぐら音楽祭」内での「岡林信康リサイタル」の模様が記録されています。この音源は、現在確認されている岡林信康のライブ録音としては最も古いものとされており、その歴史的な価値は非常に高いです。演奏は基本的にアコースティックギターによる弾き語りスタイルで、中川イサトと長野隆がサポートミュージシャンとして参加しています。
このURC盤に収録された音源のうち、「アメリカちゃん」と「We Shall Overcome〜友よ」の一部楽曲は、長らく他の媒体では聴くことのできない希少な音源でした（2008年にCD化）。これらの演奏からは、当時の岡林と、彼が師事していた高石友也との間の深い関係性や、時代背景を映し出す緊迫した空気感が伝わってきます。
なお、この公演には加藤和彦、西岡たかし、高田渡らも出演していましたが、残念ながらURC盤に彼らの演奏は収録されていません（高田渡の「自衛隊に入ろう」は後の別バージョンに収録）。B面の収録曲は以下の通りです。
※時間は演奏時間のみ／MC込みの全体の時間
- - 友よ – (2:55)
- - お父帰れや – (4:06)
- - アメリカちゃん – (3:50)
- - 手紙 – (4:18)
- - 腰まで泥まみれ (BIG MUDDY) – (3:21)
- - We Shall Overcome〜友よ – (9:30) (高石友也参加)
このURC盤の制作には、レコーディング・ディレクターとして宮川一郎、アート・ディレクターとして廣野勝が携わりました。
ライブ音源の展開：派生盤の登場
岡林信康のリサイタル音源は、後に何度か異なる形でリリースされています。
まず1979年には、『幻のフォークライブ傑作集 岡林信康ファースト・コンサート ”MOVEMENT”』と題された2枚組LPが登場しました。この盤は、URC盤『岡林信康リサイタル』の音源を基にしながらも、大幅に収録曲が追加され、公演の全容に近い形で再構成されています。特に高田渡による「自衛隊に入ろう」が初めて収録された点で注目されます。一方で、URC盤に収録されていた「アメリカちゃん」と「We Shall Overcome〜友よ」は、この盤では未収録となりました。
次に登場したバージョンが、『あんぐら音楽祭 岡林信康リサイタル』です。この盤は、先の『幻のフォークライブ傑作集...』から、高田渡の「自衛隊に入ろう」がカットされ、代わりにそれまで未収録だった「アメリカちゃん」と「We Shall Overcome〜友よ」が復活収録されました。これにより、オリジナルのリサイタル公演のセットリストにさらに近い形となっています。
この『あんぐら音楽祭 岡林信康リサイタル』盤は、全曲デジタル・リマスタリングが施され、音質が向上しています。また、ジャケットには、公演のためにアート・ディレクターの廣野勝が当時制作したポスターが使用されており、資料的な価値も高い作品です。
ライブ音源の発売を重ねるごとに収録曲の変遷が見られ、それぞれ異なる時代のリスナーに貴重な記録を届ける役割を果たしています。
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。