会計管理者

会計管理者とは

会計管理者とは、地方公共団体の会計事務を統括する役職であり、地方公務員法に定める一般職に属します。地方公共団体の長を補佐する機関として、地方自治法第168条に規定されており、すべての地方公共団体に必置とされています。

概要

2007年4月1日に、それまで特別職であった出納長（都道府県）と収入役（市町村）に代わって新設されました。会計管理者は、一般職であるため、地方公共団体の長は議会の同意を得ることなく任命できます。地方自治法上、会計管理者は他の部局とは別に設置されることが想定されていますが、総務部長などが兼任することも可能です。ただし、地方自治法の改正前には首長が収入役の業務を兼務することも多かったのですが、改正後の地方自治法では、会計管理者は首長との兼務は認められていません（第166条第2項、第141条）。また、首長、副首長、監査委員と一定の親族関係にある者は、会計管理者になることができません（第169条）。このような関係が生じた場合は、失職することになります。

会計管理者に事故がある場合、地方公共団体の長は、補助機関である職員にその事務を代理させることができます（第170条第3項）。会計管理者は議会の同意が不要な一般職であるため、速やかに後任を選任できることから、旧地方自治法にあった収入役が欠けた場合の規定は設けられていません。一般的に、都道府県では部長級（民間企業では役員級）の幹部職員がこの役職に就きます。

職務

会計管理者は、地方公共団体の以下の会計事務を行います（地方自治法第170条）。ただし、地方公営企業の会計事務は除きます。

現金（現金に代えて納付される証券、基金に属する現金を含む）の出納と保管
小切手の振り出し
有価証券（公有財産、基金に属するものを含む）の出納と保管
物品（基金に属する動産を含む）の出納と保管（使用中の物品の保管を除く）
現金と財産の記録管理
支出負担行為に関する確認
決算の調製と首長への提出

補助組織

会計管理者の事務を補助するため、出納員などの会計職員が配置されます（第171条第1項）。地方公共団体の長は、会計管理者の権限に属する事務を処理するために、必要な組織を規則で定めることができます（第171条第5項）。会計管理者の補助組織としては、会計室や会計管理局といった名称が用いられています。

参考文献

地方自治法
『会計管理者』 - コトバンク

関連項目

地方自治法
* 官庁会計

もう一度検索