佐々木朗希の完全試合

佐々木朗希の完全試合：前人未到の記録達成

2022年 4月10日、ZOZOマリンスタジアムで行われた千葉ロッテマリーンズ対オリックス・バファローズ戦で、千葉ロッテの佐々木朗希投手がプロ野球史上16人目となる完全試合を達成しました。この試合は、佐々木投手の卓越した投球術と、19奪三振、13者連続奪三振という記録的なパフォーマンスが融合した、歴史に残る一戦となりました。

概要

佐々木朗希投手は、20歳5ヶ月という史上最年少での完全試合達成者となりました。これは、日本プロ野球における21世紀初、そして令和初という節目を飾るものであり、平成生まれ、21世紀生まれとしても初の快挙です。さらに、プロ入り初完封・初完投勝利が完全試合という、前代未聞の記録も達成。プロ通算14試合目での達成は、史上最速です。また、毎回奪三振での達成も史上初となりました。

この完全試合は、1994年 5月18日の槙原寛己投手（読売ジャイアンツ）以来28年ぶり、パ・リーグでは1978年 8月31日の今井雄太郎投手（阪急ブレーブス）以来44年ぶりの快挙です。また、佐々木投手は東北地方出身者としては3人目の完全試合達成者となり、同姓の達成者としては3人目となりました。

試合では、105球を投じ、19個の三振を奪い、そのうち13個は連続で奪うという驚異的な記録を達成。これは世界新記録であり、メジャーリーグやKBOリーグの記録を塗り替えるものでした。さらに、連続イニング奪三振は34イニングと、こちらも歴代2位の記録となりました。この試合で、佐々木投手はプロ通算100奪三振、5勝も達成しました。

試合の背景

この試合は、「BLACK BLACK」と称したイベントとして開催され、両チームがビジターユニフォームを着用しました。オリックスは、複数の選手が新型コロナウイルス感染症で離脱し、打線も本調子ではなかった一方、佐々木投手自身は登板前のブルペンでの調子があまり良くなかったと語っています。試合前には、解説者の有藤通世氏が完全試合への期待を述べていました。

試合内容

試合は、佐々木投手が初回から圧倒的な投球を見せました。1回表は、3つのアウトをすべて三振で奪い、ここから5回表終了まで13者連続奪三振を記録。6回、7回は三振が少なかったものの、8回には再び3者三振を奪い、最後の打者も三振で締めくくりました。投球内容は、ストレートとフォークを中心に、19個の三振を奪う圧巻のピッチングでした。

ロッテは、1回裏に先制点を挙げ、6回裏には松川虎生捕手の走者一掃のタイムリーツーベースなどで大量点を奪い、佐々木投手を援護しました。

試合後の反応

佐々木投手は、ヒーローインタビューで「最高です」と喜びを表し、捕手の松川選手への感謝を述べました。松川捕手は、「本当に全部すごかった」と佐々木投手の投球を称賛し、4回の吉田正尚選手との対戦が分岐点だったと振り返りました。井口資仁監督も、佐々木投手の快挙を讃え、「いずれやるだろうと思っていたが、こんなに早い段階で達成できるとは思わなかった」と語っています。オリックスの中嶋聡監督も、佐々木投手の投球を賞賛しつつも、チームの切り替えを促しました。

槙原寛己氏、今井雄太郎氏、八木沢荘六氏といった過去の完全試合達成者も、佐々木投手の偉業を称えました。また、1試合19奪三振のプロ野球記録に並ばれた野田浩司氏も、佐々木投手のピッチングを高く評価しました。

地元の反応

佐々木投手の地元である岩手県では、達増拓也知事が「大きな感動と勇気を与えるもの」とコメントし、陸前高田市の戸羽太市長も「涙が出た」と喜びを語りました。道の駅高田松原では、13者連続奪三振にちなんだソフトクリームが19円で販売されました。

動画再生数

この試合は地上波での中継はありませんでしたが、パ・リーグTVにアップロードされた動画は、1日で200万回を超える再生回数を記録。また、完全試合達成の瞬間の動画は860万回以上再生され、DAZNでも視聴者数が歴代最高を記録しました。

その後

佐々木投手は、完全試合達成後も素晴らしい投球を続け、2試合連続完全試合達成未遂という記録も作りました。しかし、連続イニング無安打記録は、次の試合でストップしました。2022年のシーズンでは、他にも多くのノーヒットノーランが達成されました。オールスターゲームでは、佐々木投手と松川捕手がファン投票1位で選出されました。

シーズン終了後、佐々木投手を表す「令和の怪物」という言葉が新語・流行語大賞の候補となりました。また、読売新聞の「2022年日本の10大ニュース」では、佐々木投手の完全試合が選出されました。ギネス世界記録には、完全試合バッテリーの最年少記録と、連続奪三振記録が認定されました。

まとめ

佐々木朗希投手の完全試合は、プロ野球史に残る偉業であり、その後の活躍も含めて、多くの人々に感動と興奮を与えました。彼の今後の活躍が、さらに期待されます。

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