佐世保鉄道7号形蒸気機関車

7号形蒸気機関車の概要

7号形は、1931年に佐世保鉄道が若津鉄工所に依頼して製造したタンク式蒸気機関車です。この機関車は、特殊狭軌線用のもので、便宜上命名された呼称です。

仕様と設計

7号形は、車軸配置2-4-2(1B1)を持ち、運転整備重量は20tで、単式2気筒飽和式のサイドタンク機関車です。製造は7両（ケ800 - ケ803）であり、1936年には国有化に伴い鉄道省籍となり、ケ800形として改番されました。

性能面では、ケ217形に劣るものの、国有鉄道において特殊狭軌線用の蒸気機関車の中では最大の寸法と重量を誇り、車軸配置も唯一無二のものです。運用は特に実盛谷駅から臼ノ浦駅間の設定に合わせられ、上佐世保駅から相浦駅へも、運用範囲の拡大のために1929年に軌道の強化が行われました。最終的には柚木線を除く全線での使用が可能となりましたが、具体的には上佐世保駅から佐々駅間の旅客列車牽引用に特化していました。

独自のデザイン

この機関車は、佐世保鉄道の独自設計によるもので、全体的な形式は汽車製造製のものに似ていますが、小窓や砂箱、シリンダー、弁室の造りには独特な特徴が見られます。当初設計には安全弁が1個のみでしたが、後に2個に増やされました。ボイラー火室は細長く設計され、投炭に関しては作業が容易ではなかったとされています。また、ボイラー煙管は長く、煙室と煙突は弁室よりも前方に配置されていました。

国有化後の運用

国有化後は、上佐世保庫に所属し使用が継続されました。1944年の全線改軌完了後には佐々区で保存されましたが、1948年には廃車となりました。廃車後、ケ800、ケ802の2両は日本鉱業佐賀関鉄道に譲渡され、1949年に譲受が承認されました。

譲渡とその後

譲渡されたケ800、ケ802の2両は、国有鉄道時代の番号のまま使用されましたが、1951年に旅客列車が内燃動車に移行したことで余剰となり、ケ800は1954年4月、ケ802は1956年12月にそれぞれ廃車となりました。また、ケ801は愛媛県の井華鉱業へ譲渡され、駐留米軍向けに供出された経歴もあります。

主要諸元

以下は本機関車の主要な数値です。

• - 全長: 7,665mm
• - 全高: 3,146mm
• - 軌間: 762mm
• - 車軸配置: 2-4-2(1B1)
• - 動輪直径: 914mm
• - 弁装置: ワルシャート式
• - シリンダー寸法: 280mm×406mm
• - ボイラー圧力: 12.7kg/cm2
• - 火格子面積: 0.7m2
• - 全伝熱面積: 37.05m2
• - 運転整備重量: 20.0t
• - 動輪上重量: 14.0t
• - 水タンク容量: 2.27m3
• - 燃料積載量: 0.67t

この独特な機関車は、佐世保鉄道の歴史の中で重要な役割を果たし、現在も多くの鉄道ファンに愛されています。

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