佐久市立近代美術館

佐久市立近代美術館：信州の自然と芸術の融合

佐久市立近代美術館は、長野県佐久市の駒場公園に位置する市立美術館です。1983年5月26日に開館し、豊かな自然に囲まれた環境の中で、近現代の日本美術を広く紹介しています。

充実したコレクション：3000点を超える芸術作品

この美術館の礎を築いたのは、佐久市出身の画商で美術年鑑社社長を務めた油井一二氏です。氏が50年以上にわたって収集した日本画、洋画、彫刻、工芸、書画、現代美術など、約3000点の作品が所蔵されています。

コレクションの目玉は、日本近代美術を代表する巨匠たちの作品です。日本画では、横山大観、奥村土牛、東山魁夷といった巨匠たちの作品から、上村松園、川合玉堂といった女性画家の作品、そして橋本雅邦、富岡鉄斎といった伝統を継承する画家たちの作品まで、幅広い表現様式を見ることができます。洋画では、東郷青児、小磯良平、中川一政といった著名な画家の作品が展示されています。

彫刻では、平櫛田中、北村西望、佐藤忠良といった巨匠たちの力強い作品が、工芸では高橋節郎の作品が、それぞれ鑑賞できます。書画では比田井天来の作品が、現代美術では池田満寿夫の作品が展示されています。

さらに、1990年の新装開館を機に、吉澤三朗氏から寄贈された中国の明清時代の陶磁器コレクション約40点も加わり、コレクションの幅を広げています。

平山郁夫作品：美術館のシンボル

佐久市名誉市民である平山郁夫画伯の作品も多数所蔵されており、美術館の大きな魅力の一つとなっています。「仏教伝来」、「天山南路（夜）」、「出現」、「原始の眠」、「朝の富士山」、「大仏殿の夜」、「飛鳥の春」、「ギョレメの岩山」といった代表作が展示され、その壮大なスケールと繊細な筆致に圧倒されることでしょう。

その他の注目作品

そのほかにも、横山大観の「林亭の朝」、小磯良平の「西洋婦人」、東郷青児の「婦人像」、北村西望の「猫」、平櫛田中の「良寛とざくろ」、池田満寿夫の「佐久讃歌」、竹内不忘の「木の実 (II)」そして高橋節郎の「麦中譜」など、多くの名品が展示されています。

美術館の施設とアクセス

美術館は、駒場公園内にあり、自然豊かな環境の中でゆっくりと芸術作品を鑑賞できます。館内には、特別展示室、視聴覚室、5つの展示室があり、快適な鑑賞空間を提供しています。また、駒場公園内には野外彫刻18体が展示され、自然と調和した彫刻作品を楽しむことができます。

アクセスは、上信越自動車道佐久ICまたは中部横断自動車道佐久中佐都ICから車で約15分、北陸新幹線佐久平駅から車で約15分、JR小海線各駅から車または徒歩でアクセス可能です。

開館時間と休館日

開館時間は午前9時30分から午後5時まで。休館日は毎週月曜日（祝日の場合は翌火曜日）、年末年始（12月29日～1月3日）、展示替え期間です。

参考文献

窪島誠一郎著『信州の美術館めぐり』 新潮社 1998年
『信州美術館と作家たち』 美術年鑑社 1998年
『信州美術館散歩』 信濃毎日新聞社出版局 1998年
『長野県ミュージアムガイド』 長野県博物館協議会 2017年

佐久市立近代美術館は、信州の自然と芸術を堪能できる素晴らしい場所です。ぜひ一度足を運んでみてください。

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