佐井通

佐井通（さいどおり）について

佐井通は、京都市の南北を貫く重要な通りであり、全長は約6.3キロメートルに及びます。これは平安京時代の主要な街路である道祖大路に該当し、現在でも地域の交通の要所として機能しています。

概要

この道は西大路通の西側に位置し、北側は金閣寺近くの北区衣笠天神森町から南は八条通まで連なっています。昭和初期に市街地の拡大に伴って整備されたものの、元々は西ノ京村を始めとするいくつかの村を通っていた里道を基にした道路です。

特に四条通との交差点付近には春日神社があり、このことから春日通（かすがどおり）という名称でも知られています。地域住民の中には、春日通という名称の方が馴染み深い人も多く、一部の道路標識にはこの名称が併記されています。また、五条通の周辺ではクリスマスシーズンにイルミネーションが施されることもあり、地域に彩りを加えています。

歴史

佐井通は、平安京時代には道祖大路として知られ、左京の西洞院大路に相当します。また、その南の延長は紀伊郡石原郷佐比里に該当し、佐比大路（さえのおおじ）という別名も持っていました。この場所を流れていた佐比川は、平安時代前期から文献に見られる人工河川で、道祖大路に沿って掘削された非常に重要な水路でした。

発掘調査によってわかったところによると、この道祖川は10世紀から12世紀にかけて存在しており、当時は幅9メートル以上、深さ1.8メートル以上の規模だったとされています。道祖川が埋まった頃には野寺小路に人工河川である野寺川も新たに掘られ、14世紀ごろには埋没しました。

また、一条通の北側には後の鹿苑寺として知られる足利義満の邸宅が存在していました。この地域のメインストリートにあたる八町柳は、全長が約900メートルで、柳が生い茂る野を通っていたことからその名が付けられたと考えられています。この名前は現在も残されており、地域住民に親しまれています。

関連する通り

佐井通には、さらに二つの通りが並行して走っています。東側を走るのが佐井東通（さいひがしどおり）で、これは平安京の野寺小路に相当し、全長は約2.9キロメートルです。一方、西側には佐井西通（さいにしどおり）があり、これは宇多小路に相当します。佐井西通は約3.9キロメートルで、途中で中断された部分もあります。

沿道の主な施設

佐井通には重要な施設が多く点在しています。金閣寺や洛星中学校・高等学校、さらに京福電気鉄道北野線の北野白梅町駅や京都市立北野中学校などがあります。山陰本線の円町駅や京都市聴覚言語障害センター、また、京都市立西京高等学校・附属中学校、春日神社なども位置しています。また、ロームや日本新薬などの企業もこの通り沿いに立地しています。

このように、佐井通は交通面だけでなく、地域の歴史や文化が凝縮された重要な通りとなっており、多くの人々に愛され続けています。

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