佐伯久良麻呂

佐伯久良麻呂の生涯と官歴

佐伯久良麻呂（さえき の くらまろ）は、奈良時代に活躍した貴族で、官位としては従四位上や左京大夫を歴任した歴史的人物です。彼の名前は「久良万侶」としても知られ、彼の経歴や功績は当時の日本の政局や地方行政にも大きな影響を与えました。

経歴の概要

久良麻呂は天平宝字8年（764年）に行われた叙位において、従五位下に叙爵されたことから彼の官僚生活が始まります。この頃日本では、藤原仲麻呂の乱が終息し、平穏な時代が訪れつつありました。彼はその後、天平神護3年（767年）に豊後守に任命され、地方の改革や統治に寄与しました。

光仁朝における活躍

光仁朝に入ると宝亀2年（771年）には民部少輔に昇進し、京官に転任しました。このポジションでは、行政や財政管理の重要な役割を果たすことが期待されていました。さらに、宝亀5年（774年）には近江介に叙任され、再び地方官任務に戻ることになります。

宝亀7年（776年）には、出羽国で蝦夷の反乱が発生したことから、久良麻呂は陸奥鎮守権副将軍としてその鎮圧に動きました。彼の指揮の下、反乱は速やかに鎮圧され、彼は宝亀9年（778年）に正五位下に昇進することが決まり、さらに勲五等の叙勲も受けます。また、この年に皇太子・山部親王の春宮亮に任命されました。

正五位上への昇進

光仁朝末の天応元年（781年）、久良麻呂は正五位上に昇格し、同年4月の山部親王の即位に伴い従四位下に昇進します。その後5月には中衛中将に任命され、さらなる昇進の道を進みます。その後の延暦4年（785年）には従四位上に叙せられ、延暦5年（786年）には左京大夫として重要な役割を担うに至ります。

官歴について

彼の官歴は、以下に示す通りであり、彼の昇進の様子が明確に示されています。

• - 時期不詳：正六位上
• - 天平宝字8年（764年）10月7日：従五位下
• - 天平神護3年（767年）8月11日：豊後守
• - 宝亀2年（771年）7月23日：民部少輔
• - 宝亀5年（774年）1月7日：従五位上 / 7月21日：近江介
• - 宝亀7年（776年）5月12日：兼陸奥鎮守権副将軍
• - 宝亀9年（778年）2月23日：春宮亮 / 6月25日：正五位下、勲五等
• - 天応元年（781年）1月3日：正五位上 / 4月15日：従四位下 / 5月7日：中衛中将
• - 天応2年（782年）2月7日：兼丹波守 / 6月20日：衛門督
• - 延暦4年（785年）8月7日：従四位上
• - 延暦5年（786年）1月28日：左京大夫 / 9月29日：大和国班田右長官

久良麻呂は、その生涯を通じて重要な職務を担い、また政情の安定にも寄与しました。彼の功績は、当時の社会において大きな影響を与えたと言えるでしょう。彼の存在は、奈良時代の貴族社会や政治における重要な一括であったと考えられています。

もう一度検索