佐多岬灯台

佐多岬灯台について

佐多岬灯台は、鹿児島県大隅半島の先端、佐多岬の沖に浮かぶ大輪島の断崖上にそびえ立つ灯台です。白亜の美しい姿は、「日本の灯台50選」にも選ばれており、その景観は多くの人々を魅了しています。また、佐多岬は九州本島の最南端に位置し、日本本土最南端を示す標柱も設置されています。

周辺は霧島錦江湾国立公園に指定されており、太平洋の雄大な景色を一望できる景勝地として知られています。自然の美しさと歴史的な建造物が調和した、訪れる価値のあるスポットです。

歴史

佐多岬灯台の歴史は、1866年（慶応2年）にアメリカ、イギリス、フランス、オランダの4ヶ国と結ばれた「改税条約」（江戸条約）に遡ります。この条約に基づき、日本各地に8つの灯台が建設されることになり、佐多岬灯台はその一つとして選ばれました。これらの灯台は「条約灯台」と呼ばれています。

1871年（明治4年）には、日本の「灯台の父」と呼ばれるリチャード・ヘンリー・ブラントンの設計・指導により、鉄造の灯台が完成し、初点灯を迎えました。しかし、1945年（昭和20年）には太平洋戦争の攻撃によって破壊されてしまいます。

その後、1950年（昭和25年）にコンクリート造で再建され、1952年（昭和27年）には電化されました。1954年（昭和29年）には、日本各地で核実験に由来する放射性物質を含む降雨があり、飲料水を天水に頼っていた灯台関係者に放射線障害が発生するという痛ましい出来事もありました。

1980年（昭和55年）には、無線方位信号所（レーマークビーコン）が設置されましたが、1985年（昭和60年）には無人化され、2008年（平成8年）には無線方位信号所も廃止されました。このように、佐多岬灯台は、その歴史の中で様々な変遷を経験してきました。

周辺施設

灯台周辺には、以下の施設があります。

佐多岬展望公園：灯台や周辺の景色を一望できる展望公園です。
御崎神社：岬の先端に位置する神社で、海の安全を祈願する人々が訪れます。

関連項目

日本の灯台50選
鹿児島県の灯台一覧
無線方位信号所
リチャード・ヘンリー・ブラントン
* 南大隅町


佐多岬灯台は、その美しい景観だけでなく、歴史的な背景や、太平洋戦争による破壊、放射線障害など、様々な出来事を経て現在に至っています。訪れる際には、その歴史にも思いを馳せてみてください。

もう一度検索